「低用量ピルを飲んでみようと思うけれど、種類がたくさんあってよく分からない」「処方された薬の名前を調べたら、いろいろな分類が出てきて混乱した」——。

低用量ピルには複数の製品があり、含まれるホルモンの種類と量、錠剤の並び方によって分類されています。名前を並べた一覧を見ても、その分類の意味が分からなければ選びようがありません。

この記事では、まず違いを決めている3つの軸を整理します。そのうえで一覧表で全体像を示し、「結局どれがいいのか」という問いに——ランキングではない形で答えます。

この記事について
  • 低用量ピルは医師の診察と処方が必要な薬です。この記事は分類を理解するためのもので、特定の製品をすすめるものではありません
  • どれが合うかは、症状・体質・持病・併用薬によって変わり、医師が判断します。自分で製品を指定する必要はありません
  • 製品名は分類を確認するための情報として記載しています。効果や副作用の出方には個人差があります

違いを決めているのは、3つの軸

製品名を覚える前に、何が違うのかを押さえてください。ここが分かれば、一覧表が読めるようになります。

分かれ方何に関わるか
①エストロゲンの量低用量/超低用量(LEP)保険が使えるかどうかにも関わる
②プロゲスチンの世代第1〜第4世代副作用の出方の傾向
③ホルモン量の並び方一相性/三相性飲み間違いのしやすさ、生理日の移動

①エストロゲンの量|低用量と超低用量

この成分についてはエストロゲン、もう一方はプロゲステロンで解説しています。

含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)の量による分類です。

  • 低用量ピル(OC)——避妊を主目的として使われます。自費です
  • 超低用量ピル・LEP——エストロゲンをさらに減らしたもの。月経困難症や子宮内膜症の治療薬として承認されており、その目的なら健康保険が使えます

ここは費用に直結する大事な違いです。ピル全体の5分類(低用量/超低用量/中用量/ミニピルアフターピル)はピルの種類に、副作用の全体像はピルの副作用まとめにまとめています。

②プロゲスチンの世代|第1〜第4

もうひとつのホルモン、プロゲスチン(黄体ホルモン)の種類による分類です。開発された順に第1世代から第4世代と呼ばれます。

ここが分かると、製品の一覧がぐっと読みやすくなります。あとの章で詳しく説明します。

③ホルモン量の並び方|一相性と三相性

一相性三相性
ホルモン量すべての錠剤が同じ3段階で変わる
錠剤の色実薬はすべて同じ色段階ごとに色が違う
飲む順番実薬どうしなら入れ替わっても影響が小さい順番を守る必要がある
生理日の移動調整しやすいやや複雑になる
考え方ホルモン量を一定に保つ自然な周期の変動に近づける

生理日の移動を考えている方や、飲み間違いが心配な方は一相性のほうが扱いやすいとされています。

【一覧表】日本で処方される低用量ピル

ここで全体像を示します。処方された薬がどこに位置するのかを確認してください。

低用量ピル(避妊が主目的・自費)

製品名世代相性先発/後発費用
シンフェーズ第1世代三相性先発自費
トリキュラー第2世代三相性先発自費
アンジュ第2世代三相性先発自費
ラベルフィーユ第2世代三相性後発(ジェネリック)自費
マーベロン第3世代一相性先発自費
ファボワール第3世代一相性後発(ジェネリック)自費

超低用量ピル・LEP(治療目的・保険適用)

製品名世代相性先発/後発費用
ルナベル第1世代一相性先発保険適用
フリウェル第1世代一相性後発(ジェネリック)保険適用
ジェミーナ第2世代一相性先発保険適用
ヤーズ第4世代一相性先発保険適用
ヤーズフレックス第4世代一相性先発(連続服用に対応保険適用
ドロエチ第4世代一相性後発(ジェネリック)保険適用
この表の読み方
  • 費用の列がいちばん実用的です。自費なら月2,000〜3,000円程度、保険適用なら3割負担で600〜2,500円程度が目安(医療機関により幅があります)
  • 「保険適用」と書いていても、避妊目的では自費になります。保険が使えるのは診断がついた治療としての処方です
  • 後発(ジェネリック)はさらに費用を抑えられます
  • 相性の列は飲みやすさに関わります。一相性のほうが飲み間違いに気づきやすくなります

※ 分類は代表的なものです。同じ製品名でも用量違い(ULD/LDなど)があります。処方の可否や保険適用は診断によって決まります。

手元の薬がどれか分からないとき
  • シートの色を見る——実薬がすべて同じ色なら一相性、3色に分かれていれば三相性です
  • 薬の説明書(薬剤情報提供書)を確認する——処方時に渡されているはずです
  • 薬局に電話して聞く——薬剤師が答えてくれます
  • 次の診察で「これは何世代ですか」と聞いてもかまいません
木の机に並べて置かれた、生成り・淡いピンク・グレー・セージの4色の布とマグカップ

世代でどう違うのか

ここが、いちばん説明されていない部分です。

世代プロゲスチン特徴とされること
第1世代 ノルエチステロン もっとも古くから使われている。月経困難症の治療用(LEP)に多い
第2世代 レボノルゲストレル 不正出血を抑える方向に働くとされる。三相性の製品が多い
第3世代 デソゲストレル 男性ホルモン様の作用が比較的少ないとされる
第4世代 ドロスピレノン むくみに関わる作用が異なるとされる。治療用(LEP)として承認

「新しい世代ほど優れている」ではありません

数字が大きいほうが良さそうに見えますが、そうではありません。世代は開発された順を表しているだけで、性能の順位ではありません。

それぞれ性質が違い、何を優先するかで選ばれるものが変わります。たとえば——

  • 不正出血が気になるなら、その点で報告のある世代が検討されることがあります
  • 治療目的(月経困難症など)なら、その適応で承認されている製品から選ばれます
  • 費用を抑えたいなら、ジェネリックのある世代が選択肢になります
  • 血栓症のリスクについては世代による違いが議論されており、個々の条件をふまえて医師が判断します
「ニキビに効くピルはどれ?」への答え

よく検索される質問ですが、「この製品はニキビに効く」という言い方はできません。プロゲスチンの種類によって皮脂への影響が異なるとされ、その違いが結果に関わる可能性はあります。ただしニキビの治療を目的として承認されているわけではなく、効果には個人差があります。肌の悩みがあるなら、それを診察で伝えたうえで医師に判断してもらってください。あわせて皮膚科の受診も選択肢です。

超低用量ピル・LEPをもっと詳しく

「超低容量ピル」と表記されることもありますが、同じものです。低用量ピルとの違いが分かりにくいので、整理しておきます。

低用量ピル(OC)超低用量ピル・LEP
エストロゲン量少ないさらに少ない
承認されている目的避妊月経困難症・子宮内膜症の治療
保険使えない(自費)使える
避妊効果あり承認された目的ではありません
吐き気エストロゲンが少ないぶん出にくい傾向とされる
不正出血やや出やすい面もあるとされる

ここが混乱しやすいところ

LEPは「避妊薬」として承認されているわけではありません。治療薬です。

そのため、「避妊もしたい」という希望がある場合の扱いは医師の判断になります。治療目的でLEPを飲んでいる方が避妊効果も期待してよいかどうかは、自己判断せず必ず確認してください。

「生理痛の治療」として相談する価値

避妊目的で自費のピルを飲んでいる方のなかには、生理痛や経血量の多さを伝えれば、治療として保険診療になるケースがあります。月経困難症子宮内膜症と診断されれば、費用が下がる可能性があります。症状があるなら、遠慮せず伝えてください。

21錠と28錠の違い

シートの錠数にも種類があります。効果に差はありません。

21錠タイプ28錠タイプ
中身実薬21錠のみ実薬21錠+プラセボ(偽薬)7錠
休薬7日間、何も飲まないプラセボを飲み続ける
向いている人休薬期間を管理できる人飲み忘れが心配な人——毎日飲む習慣が途切れない
注意飲み始めを忘れやすいプラセボと実薬を間違えない

飲み忘れが心配なら28錠タイプが扱いやすいとされています。希望は伝えてかまいません。飲み忘れたときの対応は飲み忘れの記事に。

ジェネリックと先発品

費用を左右する大きな要素です。

対応関係

先発品ジェネリック(後発品)世代
トリキュラー/アンジュラベルフィーユ第2世代
マーベロンファボワール第3世代
ルナベルフリウェル第1世代(LEP)
ヤーズドロエチ第4世代(LEP)

何が同じで、何が違うのか

先発品ジェネリック
有効成分と量同じと認められています
添加物異なることがあります
錠剤の大きさ・色・形異なることがあります
シートのデザイン異なります(飲み間違いに注意
費用高め抑えられる

切り替えは可能です。「費用を抑えたい」と伝えれば、ジェネリックがあるかどうかを教えてもらえます。ただしシートの見た目が変わるため、切り替え直後は飲み間違いに注意してください。

まれに添加物が体質に合わないことがあります。切り替えて調子が変わったと感じたら、それも相談してよいことです。

明るい部屋のテーブルで、手元の紙の説明書を落ち着いて読んでいる20代の女性

「結局どれがいいですか」への答え

もっとも多い質問です。正直にお答えします。

ランキングでは選べません

「低用量ピルの人気ランキング」を探す方がいますが、この薬は人気で選ぶものではありません。理由は3つあります。

  • 目的によって候補が変わる——避妊なのか治療なのかで、そもそも使える製品が違います
  • 使えない条件がある——喫煙・年齢・片頭痛・持病によって、選べる範囲が変わります
  • 合うかどうかは飲んでみないと分からない部分がある——多く処方されている製品が、あなたに合うとは限りません

処方数が多い製品は「無難で選ばれやすい」だけで、「最も良い」わけではありません。

代わりに、こう考えてください

あなたの状況関係してくること
避妊が主な目的 低用量ピル(自費)。世代・相性は体質と希望で決まります
生理痛・経血量で困っている 超低用量ピル・LEP。保険が使える可能性があります(月経困難症
子宮内膜症の治療 LEP。保険適用
飲み間違いが心配 一相性のほうが扱いやすい
生理日を移動したい 一相性のほうが調整しやすい
費用を抑えたい ジェネリック/保険適用の可否を確認
生理の回数を減らしたい 連続服用に対応した製品がある(後述)
生理前にニキビが悪化する プロゲスチンの種類で傾向に差があるとされます(下記)。ただし日本ではニキビの治療薬としての承認はなく自費です
以前ピルで不調が出た そのときの製品名と症状を伝える——別の世代が検討されます

「ニキビに効くピルはどれ?」について

よく検索されている問いなので、正確なところを書いておきます。

ピルを飲むと生理前のニキビが落ち着いた、という声は確かにあります。男性ホルモンの働きが相対的に抑えられることが関係していると考えられており、プロゲスチンの種類によって、その傾向に差があるとされています。

ただし、前提を2つ押さえてください
  • 日本では、ニキビの治療薬として承認されている低用量ピルはありません。そのため、ニキビを目的に処方を受ける場合は自費になります
  • 「この製品ならニキビが治る」と言えるものはありません。効き方には個人差があり、飲みはじめにかえって悪化することもあります

肌の状態が主な悩みであれば、まず皮膚科で相談するほうが筋のよい選び方です。そのうえで「生理周期に連動して悪化する」という特徴があるなら、婦人科でその点を伝えてみてください。

伝え方としては、「生理前になると決まって悪化します」という言い方がいちばん正確に届きます。ピルの目的として認められるかどうかは別として、製品を選ぶうえでの材料にはなります。

連続服用という選択肢

通常のピルは、一定期間飲んで休薬(またはプラセボ)を挟み、その間に消退出血が来ます。

一方、連続して服用する飲み方に対応した製品があります。休薬の間隔を延ばすことで、出血の回数を減らせる設計です。生理のたびに症状が重い方にとって選択肢になります。

ただし飲み方が通常と異なり、不正出血の出方も変わります。医師の指示に従ってください。

保険が使えるかは「診断」で決まる

保険が使えるかどうかを分ける代表的な診断が月経困難症子宮内膜症です。経血量が多い場合は経血量、生理前の不調が中心ならPMSもあわせて伝えてください。

同じようにホルモンを含む薬でも、何のために処方されるかで保険の扱いが変わります。

目的保険該当する分類
避妊使えない(自費)低用量ピル
月経困難症の治療使える超低用量ピル・LEP
子宮内膜症の治療使える超低用量ピル・LEP
生理日の移動使えない(自費)低用量/中用量

「生理痛がつらい」は治療の対象になりえます。避妊目的だと思って自費で飲み続けている方のなかには、症状を伝えれば保険診療になるケースがあります。

伝えるときは具体的に——「毎回痛み止めを飲んでいます」「痛みで仕事を休む日が月に◯日あります」「昼用ナプキンが1〜2時間でいっぱいになります」。回数・時間・日数で言うと、状態が伝わります。

ミニピルとの違い

ピル以外の方法も含めた比較は避妊方法の種類と選び方、子宮内に入れる方法はミレーナにまとめています。

低用量ピルの分類とは別に、エストロゲンを含まないピルがあります。

低用量ピルミニピル
含まれるホルモンエストロゲン+プロゲスチンプロゲスチンのみ
血栓症のリスク上がるとされる低いとされる
飲む時間ほぼ同じ時間より正確さが求められる
向いている人一般的な避妊・治療授乳中・喫煙・片頭痛などでエストロゲンが使いにくい人

詳しくはミニピルの記事をご覧ください。「低用量ピルが使えない」と言われた方でも、こちらが選択肢になることがあります。

オンライン診療で処方を受ける場合

いまはピルをオンライン診療で処方してもらう方法が広く使われています。選べる製品や費用の考え方が対面と違ってくるので、整理しておきます。

対面 オンライン
扱う種類 院内にある範囲。相談しながら決められる サービスごとに取り扱い製品が決まっている
保険の適用 診断がつけば使えます 自費のみのサービスが多い。要確認
費用 診察料+薬代 薬代+診察料に送料が加わります
検査 血圧・体重の測定、必要に応じて血液検査 問診が中心。検査は原則ありません
受け取り その場 配送(数日かかることがあります)

オンラインが向いている場合

  • すでに同じ製品を飲み続けていて、続けるだけのとき
  • 通院の時間が取りにくい
  • 避妊が目的で、もともと自費になるとき

対面のほうがよい場合

次に当てはまるなら、一度は対面で受診してください
  • 生理痛や経血量で困っている——月経困難症の診断がつけば保険が使え、費用がかなり変わります
  • はじめてピルを飲む——血圧の測定や、飲めない条件の確認が要ります
  • 片頭痛がある、血縁者に血栓症の人がいる、喫煙している
  • ピルで不調が出たことがある
  • 子宮内膜症など、背景の病気を調べたほうがよい症状がある
いちばんもったいないパターン
生理痛がつらくてピルを始めたのに、自費のまま飲み続けている——というケースです。同じ薬でも、月経困難症という診断のもとで処方されれば保険が使えます。「生理痛がつらい」と伝えるかどうかで、費用も選べる製品も変わります。詳しくは保険が使えるかは「診断」で決まるをご覧ください。
個人輸入は避けてください

海外から個人輸入する形で安く手に入れる方法が紹介されていることがありますが、成分や品質が確認できず、副作用が起きたときの救済制度も使えません。

ピルは飲んではいけない条件がはっきりしている薬です。血栓症のリスクを確認しないまま飲みはじめるのは、避けるべき使い方です。副作用にまとめています。

合わないときの切り替え

「ひとつ目が合わなかった」は珍しくありません。やめるか我慢するかの2択ではなく、変えるという選択肢があります。

困っていること検討されうる方向
吐き気が強いエストロゲン量の少ないもの/飲む時間の変更
不正出血が続く別の世代・相性のもの
飲み忘れる一相性/28錠タイプ/毎日でない方法(子宮内システム
費用が負担ジェネリック/保険適用の可否を確認
生理の回数を減らしたい連続服用に対応した製品
エストロゲンが使えないミニピルなど

切り替えるときの注意

  • 自己判断で中断しない。避妊効果がなくなり、不正出血も起きやすくなります
  • 切り替えのタイミングは医師が指示します——シートの途中か、飲み終えてからかで変わります
  • 切り替え直後は飲み始めと同じ状態——1〜3か月は不調が出やすくなります
  • 前に飲んでいた製品名と、出た症状を伝える——これが次の候補を絞る手がかりになります

なお飲み始めの1〜3か月で判断しないでください。その時期の不調は多くが落ち着きます。詳しくは飲み始めの1か月をご覧ください。

処方の流れと、伝えること

診察で聞かれること

飲みはじめてからの経過はピルの最初の1ヶ月、飲み忘れたときは飲み忘れ、体重の変化が気になる方はピルで太るのかをご覧ください。

  • 何のために使いたいか——ここで保険適用かどうかが決まります
  • 最終月経の開始日、周期経血量、生理痛の程度
  • 喫煙の有無と本数、年齢
  • 片頭痛の有無(前兆があるかどうか)——生理と頭痛もご参照ください
  • 持病、飲んでいる薬、サプリメント
  • 血栓症の既往と家族歴

希望は伝えてかまいません

製品名を指定する必要はありませんが、条件は伝えられます。

  • 費用を抑えたいので、ジェネリックがあれば
  • 飲み忘れが心配なので、分かりやすいものがいい
  • 「以前◯◯を飲んで吐き気が強く出ました」
  • 「生理の回数を減らせる方法があれば知りたいです」

こうした情報は選択に直接影響します。詳しい受診の流れはピルの処方にまとめました。

飲み始めたあとのこと

どの製品でも、飲み始めの1〜3か月は不正出血や吐き気などが出やすくなります。多くは落ち着きますが、3か月たっても変わらないなら相談を。種類を変えることで改善するケースがあります。詳しくは低用量ピルの副作用飲み始めの1か月をご覧ください。自己判断で中断しないでください。

よくある質問

Q 低用量ピルの種類は、どれがいいですか?

A.「誰にとっても一番いい製品」はありません。避妊が目的か治療が目的かで使える製品が変わり、喫煙・年齢・片頭痛・持病によって選べる範囲も変わるからです。処方数が多い製品は「無難で選ばれやすい」だけで、「最も良い」わけではありません。診察では製品名を指定するのではなく、「何に困っているか」「何を優先したいか」を伝えてください。そこから医師が候補を絞ります。

Q 世代が新しいほうが優れているのですか?

A.いいえ。世代は開発された順を表しているだけで、性能の順位ではありません。それぞれ性質が違い、何を優先するかで選ばれるものが変わります。実際、第1世代は現在も月経困難症の治療用として広く使われています。「第4世代だから良い」という選び方はしません。

Q ジェネリックにすると効果は落ちますか?

A.有効成分と量は同じと認められています。異なるのは添加物、錠剤の大きさや色、シートのデザインです。費用を抑えられるため、切り替える方は多くいます。ただしシートの見た目が変わるので、切り替え直後は飲み間違いに注意してください。まれに添加物が体質に合わないこともあるので、切り替えて調子が変わったと感じたら相談してかまいません。

Q 処方された薬が何世代か分かりません

A.この記事の一覧表で製品名から確認できます。手元に薬がある場合は、シートの色も手がかりになります——実薬がすべて同じ色なら一相性、3色に分かれていれば三相性です。処方時に渡される薬の説明書(薬剤情報提供書)にも記載があります。分からなければ薬局に電話して聞けば教えてもらえます。

Q ニキビに効くピルはどれですか?

A.「この製品はニキビに効く」という言い方はできません。プロゲスチンの種類によって皮脂への影響が異なるとされ、その違いが結果に関わる可能性はありますが、ニキビの治療を目的として承認されているわけではなく、効果には個人差があります。肌の悩みがあるならそれを診察で伝えたうえで、医師に判断してもらってください。あわせて皮膚科の受診も選択肢です。生理前の肌荒れもご参照ください。

Q 途中で種類を変えられますか?

A.変えられます。ひとつ目が合わなくても、別のものが合うことは珍しくありません。吐き気が強い、不正出血が続く、費用を抑えたい——理由を伝えれば別の候補が検討されます。ただし飲み始めの1〜3か月は不調が出やすい時期なので、まずはその期間を見ることが多くなります。自己判断で中断せず、切り替えのタイミングも医師と決めてください。

Q 一相性と三相性、どちらを選べばいいですか?

A.避妊効果に大きな差はないとされています。実務的な違いは「扱いやすさ」です。一相性は実薬がすべて同じ量なので、飲み間違いに気づきやすく、生理日の移動もしやすくなります。三相性は自然な周期の変動に近づける設計で、錠剤の順番を守る必要があります。飲み忘れが心配なら、その旨を伝えてください。

Q 生理の回数を減らすことはできますか?

A.連続して服用する飲み方に対応した製品があります。休薬の間隔を延ばすことで、出血の回数を減らせる設計です。生理のたびに症状が重い方にとって選択肢になります。ただし飲み方が通常と異なり、不正出血の出方も変わります。自己判断で休薬を飛ばすのではなく、医師に「生理の回数を減らしたい」と相談してください。

まとめ

低用量ピルの種類は、製品名から入ると迷います。まず3つの軸——エストロゲンの量、プロゲスチンの世代、ホルモン量の並び方——を押さえてください。この3つが分かれば、一覧表が読めるようになります。

そして、世代の数字は新しさを表しているだけで、性能の順位ではありません。第1世代は今も治療用として広く使われています。

「結局どれがいいか」への答えは、ランキングではなく「あなたが何に困っているか」から決まります。診察では製品名を指定するのではなく、困りごとと優先したいことを伝えてください。

この記事のポイントまとめ
  • 違いを決めるのは3つの軸=①エストロゲン量(低用量/超低用量LEP)②プロゲスチンの世代(第1〜第4)③相性(一相性/三相性)
  • エストロゲン量は保険の扱いにも関わる——LEPは治療目的なら保険適用
  • 世代は開発順であって、性能の順位ではない。第1世代は今も治療用として広く使われている
  • 一相性は飲み間違いに気づきやすく、生理日の移動もしやすい。三相性は順番を守る必要がある
  • ジェネリックは有効成分と量が同じと認められている。異なるのは添加物・見た目・費用
  • 切り替え直後はシートの見た目が変わるため、飲み間違いに注意
  • 「人気ランキング」では選べない。目的・使えない条件・体質で候補が変わる
  • 診察では製品名を指定せず、困りごとと優先したいことを伝える
  • 「生理痛がつらい」は治療の対象になりえる。回数・時間・日数で具体的に伝える
  • 合わなければ種類を変えられる。ただし飲み始め1〜3か月は様子を見ることが多い。自己判断で中断しない

この記事について

femnote 編集部

生理・妊活・フェムケア・更年期など女性の健康に関する情報を、厚生労働省「e-ヘルスネット」や日本産科婦人科学会をはじめとする各学会の診療ガイドラインなど、公的な資料をもとに編集しています。診断や治療の判断については、必ず医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤ガイドライン」
  • 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「患者向医薬品ガイド」「医療用医薬品情報検索」
  • 厚生労働省「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進について」
  • World Health Organization「Medical eligibility criteria for contraceptive use」