ピルを飲んでいるのに、出血がある。シートの途中なのに下着に血がついた。飲み始めてから、だらだらと少量の出血が続いている——。

不安になりますが、ピルを飲んでいる人の出血には、性質の違う3種類があります。まずそれを分けてください。分けてしまえば、様子を見ていいのか、連絡したほうがいいのかが判断できます。

そしてもうひとつ大事なことがあります。出血の原因が、ピルとは関係ないこともあります。「ピルのせいだろう」で片づけていると、確認すべきものを見逃すことがあります。ここも書きました。

先に確認|次のどれかがあれば、早めに連絡・受診してください
  • 生理の多い日のような出血が続く/レバー状のかたまりが出る
  • 強い腹痛をともなう
  • 性交のあとに必ず出血する
  • 3か月以上たっても、少量の出血がだらだら続く
  • 立ちくらみ・息切れ・強いだるさがある(貧血の可能性)
  • 飲み忘れがあり、妊娠の可能性が否定できない

そして激しい胸痛・息切れ・激しい頭痛・視野の異常・片脚のふくらはぎの痛みや腫れ——これらは出血とは別に、血栓症のサイン(ACHES)です。服用を中止してすぐ受診してください低用量ピルの効果で詳しく解説しています)。

ピル服用中の出血|まず3種類に分ける

 ①消退出血②不正出血(突破出血)③ピルと関係のない出血
いつ休薬期間・偽薬の期間実薬を飲んでいる最中時期を問わない
生理より少なめのことが多いおりものに混じる程度〜少量原因による
期間2〜4日程度数日〜。飲み始めは長引くことも原因による
予想できるかできる。毎月ほぼ同じ時期できないできない
心配の度合い想定内飲み始めの数か月なら想定内。長引くなら相談確認が必要

いちばんの分かれ目は「シートのどこにいるか」

出血に気づいたら、まずシートを見てください
  • 休薬期間中・偽薬を飲んでいる期間①消退出血。これは想定されているものです
  • 実薬(ホルモンの入った錠剤)を飲んでいる最中②不正出血。飲み始めの数か月なら多くは想定内
  • シートの読み方が分からない方は、低用量ピルの効果の「シートの読み方」を参照してください
  • そして、①でも②でも説明がつかない出血が③です。性交後の出血や、強い腹痛を伴う出血がこれにあたります

セルフチェック|様子を見ていいか(12項目)

#質問はい/いいえ
1出血は休薬期間・偽薬の期間に起きている 
2ピルを飲み始めて3か月以内である 
3量はおりものに混じる程度〜少量で、ナプキンは1日1〜2枚で足りる 
4飲み忘れがあった/飲む時間が大きくずれた 
5ここ数日、激しい下痢や嘔吐があった 
6新しく飲み始めた薬・サプリがある 
7生理の多い日のような量/かたまりが出る 
8強い腹痛をともなう 
9性交のあとに出血することが繰り返しある 
103か月以上たっても、少量の出血が続いている 
11立ちくらみ・息切れ・強いだるさがある 
12子宮頸がん検診を2年以上受けていない 

結果の読み方

当てはまったもの考えられること行動
1だけ消退出血想定内。そのまま続けてください
2+3飲み始めの不正出血多くは1〜3周期で落ち着きます。自己判断でやめないこと
4・5・6のどれか原因がはっきりしている不正出血飲み忘れは対処法を確認。避妊効果が不確実になっている可能性があります
7・8のどちらか量・痛みが想定を超えている早めに連絡・受診を
9ピルとは別の原因の可能性必ず受診。子宮頸部の確認が必要です
10製剤が合っていない可能性受診。種類の変更を相談できます
11貧血の可能性受診して血液検査
12受診のついでに子宮頸がん検診
カレンダーと小さなピルシートが木製デスクに並んでいる、シンプルで清潔感のある構図

消退出血|生理とは仕組みが違う

なぜ出血するのか

ピルを飲んでいる間、子宮内膜は薄い状態に保たれています。そして休薬期間(または偽薬の期間)に入ると、ホルモンの供給が止まり、薄い内膜がはがれて外に出ます。これが消退出血です。

生理との違い
  • 生理——排卵があり、厚くなった内膜がはがれる。妊娠の準備が終わった結果
  • 消退出血——排卵は起きていない。薄い内膜がはがれるだけ
  • だから量が少なく、期間も短く、痛みも軽いことが多いのは自然なことです
  • 「生理が軽くなった」と感じるのは、この仕組みによるものです。異常ではありません

いつ来るか

休薬(または偽薬)を始めてから2〜4日目ごろに始まり、2〜4日程度で終わることが多いとされています。次のシートを始めるころにはまだ少し続いている、ということもあります。

出血が続いていても、次のシートは予定どおり始めてください。「出血中だから」と開始をずらすと、避妊効果や周期の管理に影響します。

量が少ない・来ないとき

状態考え方
量が少ない・2日で終わる想定内。内膜が薄いためです
茶色いおりもの程度同上。古い血液が時間をかけて出ているためです(経血の色
まったく来ない飲み忘れがなければ、想定内のことが多いです。ただし2周期続けて来ないときは相談を(ピル服用中に生理が来ない
飲み忘れがあって来ない妊娠検査薬で確認してください

不正出血(突破出血)|なぜ起こるか

実薬を飲んでいる最中の出血を突破出血(break-through bleeding)と呼びます。原因は6つに整理できます。

①飲み始めの数か月

もっとも多い理由です。子宮内膜がピルによる新しいホルモン環境に落ち着くまでのあいだ、内膜の一部が不安定にはがれて出血することがあります。

時期目安
1周期目もっとも出やすい時期。だらだら続くこともあります
2〜3周期目だんだん減っていくことが多い
3周期以降も続く相談の目安。製剤が合っていない可能性があります
ここでやめてしまう方が非常に多いのですが
  • 自己判断で中止しないでください。途中でやめると、かえって出血が起こることがあります
  • 飲み始めの出血は「合っていない証拠」とは限りません。多くは1〜3周期で落ち着きます
  • やめると、効果を確かめる前に終わってしまいます飲み始めた1か月目
  • ただし量が多い・痛みが強い・生活に支障があるなら、我慢せず連絡を。3か月待つ必要はありません

②飲み忘れ・飲む時間のずれ

血中のホルモン濃度が下がると、内膜が不安定になって出血します。これは飲み忘れの典型的なサインでもあります。

  • 1錠飛ばした・時間が大きくずれた——出血のきっかけになります
  • 毎日同じ時刻に飲めていない——数時間のずれが続くと影響することがあります
  • そして避妊効果にも関わります。対処はピルの飲み忘れを確認し、判断に迷うときは処方元へ

③吸収が妨げられた(下痢・嘔吐)

服用後まもなく激しい嘔吐や下痢があると、薬が十分に吸収されないことがあります。飲み忘れと同じ扱いになる場合があるため、その時期に出血が出たら、体調不良があったかどうかを思い出してみてください。

④飲み合わせ

一部の薬やサプリメントは、ピルの効果に影響することが知られています。抗てんかん薬・結核の薬・抗HIV薬・一部の抗真菌薬、そしてセント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)を含むサプリメントなどです。

新しく何かを飲み始めてから出血が出たなら、それを疑ってください。自己判断で中止せず、お薬手帳を持って処方元に相談してください。

⑤喫煙

喫煙は不正出血が起こりやすくなる要因のひとつとして知られています。そして喫煙は、血栓症のリスクを上げる方向にも働きます。

35歳以上で1日15本以上の喫煙がある場合、低用量ピルは使用できません。問診で正直に伝えることが大切です。

⑥製剤が合っていない

3周期を過ぎても出血が続く場合、含まれるホルモンの種類や量が合っていない可能性があります。ピルは1種類ではありません(低用量ピルの種類)。

「合わないなら変える」という選択肢があります。1つ試して駄目でも、そこで終わりではありません。受診のときに「3か月続けましたが、出血が止まりません」と伝えてください。

ピルとは関係のない出血を見逃さない

ここが、この記事でいちばん大事な部分です。ピルを飲んでいると、どんな出血も「ピルのせい」と考えてしまいがちです。けれども、ピルを飲んでいても、他の原因による出血は起こります。

【最重要】性交後の出血

性交のあとに繰り返し出血するときは、必ず受診してください
  • これはピルの不正出血として片づけてはいけない症状です
  • 子宮頸部のポリープ(子宮頸管ポリープ)、びらん、炎症、そして子宮頸部の病変などで起こります
  • 子宮頸がんは、初期には自覚症状がないことが多く、性交後の出血が最初のサインになることがあります子宮頸がん
  • ピルを飲んでいるかどうかとは無関係に起こります
  • 「1回だけ」なら様子を見てよいこともありますが、繰り返すなら必ず

そのほか、確認したい原因

原因手がかり
妊娠に関係する出血飲み忘れがあった場合。少量の出血+消退出血が来ない → 妊娠検査薬で確認を
子宮筋腫・子宮内膜ポリープ量が多い・かたまりが出る(子宮筋腫
クラミジアなどの感染症おりものの変化・下腹部痛・性交痛をともなうことがあります
子宮頸部・体部の病変性交後の出血・持続する不正出血(不正出血
甲状腺・血液の病気だるさ・動悸・あざができやすいなどを伴うことがあります
いちばん確実な予防策は、検診を受けていること
  • 子宮頸がん検診は、症状がなくても受ける検査です。ピルの定期受診とあわせて受けるのが効率的です
  • 「ピルを処方してもらっているから安心」ではありません。処方と検診は別のものです
  • オンライン診療だけで続けている方は、検診をどこで受けるかを決めておいてください
  • 詳しくは子宮頸がん検診を参照してください
開いたノートとペン、カモミールの花が置かれた穏やかなデスク。記録や相談を思わせる落ち着いた雰囲気

出血が続くときの対処

やること・やらないこと

 内容
やること①ピルは予定どおり飲み続ける ②毎日同じ時刻に飲む ③記録をつける ④3周期続くなら相談する
やらないこと①自己判断で中止する ②飲む量を増やす/減らす ③シートの開始日をずらす ④「出血中だから」と次のシートを遅らせる
自己判断で中止するのが、いちばん避けたいこと
  • 途中でやめると、それ自体が出血の原因になります。ホルモンの供給が急に止まるためです
  • 避妊効果もなくなります。やめた時点から妊娠の可能性が出ます
  • 「合わないから」と判断するのは、3周期見てからでも遅くありません
  • つらいときはやめる前に連絡してください。種類の変更という選択肢があります

記録のつけ方

受診したときに、いちばん役に立つ情報です。1日1行で十分です。

記録する項目書き方の例
①日付とシートの何錠目か8/26/シート12錠目
②出血の量おりものに混じる程度/ナプキン1枚/生理の多い日くらい
③色茶色/赤/鮮やかな赤
④痛みの有無なし/軽い/強い
⑤飲み忘れあった日は必ず記録。何日目に何時間ずれたか
⑥体調・薬下痢/嘔吐/新しく飲み始めた薬やサプリ

②と⑤が、診察でいちばん効く情報です。「出血が続いています」より「シート10錠目から、おりものに混じる程度の出血が5日続いています。8日目に6時間飲み忘れました」のほうが、原因の絞り込みが進みます。

生活面でできること

  • おりものシートや薄型ナプキンを常備する。「いつ出るか分からない」不安が減ります(おりものシート
  • 下着は濃い色に。気にする回数が減ります
  • 出血が長引くなら、鉄を意識した食事を。量が少なくても、続けば影響します
  • 予定を諦めない。量が少ないなら、プールや旅行を避ける必要は必ずしもありません。心配なら受診時に相談を
  • 気にしすぎない工夫も大事です。1日に何度も確認すると、それ自体が負担になります

受診の目安と、伝えること

いつ連絡するか

タイミング状況
すぐ(その日のうちに)生理の多い日を超える量が止まらない/強い腹痛をともなう/立っていられない
数日以内性交後の出血が繰り返しある/量が増えてきた/かたまりが出る
次の受診時に相談飲み始めて3か月以上、少量の出血が続いている/毎周期同じ時期に出る
処方元に電話で確認飲み忘れがあった/下痢や嘔吐があった/新しい薬を始めた
中止してすぐ受診ACHES(激しい胸痛・息切れ・激しい頭痛・視野の異常・片脚のふくらはぎの痛みや腫れ)

診察で伝える6項目

記録をそのまま見せれば伝わります
  • ①飲んでいるピルの名前——お薬手帳かシートの写真で
  • ②飲み始めてどのくらいか——「3か月目です」
  • ③シートの何錠目から出血しているか——これが原因の絞り込みに直結します
  • ④量と期間——「おりものに混じる程度が5日」
  • ⑤飲み忘れ・体調不良・新しい薬の有無
  • ⑥性交後の出血があるかどうか——聞かれなくても自分から伝えてください

費用の目安

内容自己負担の目安(3割)
再診+相談おおむね1,000〜2,000円前後
超音波検査おおむね1,500〜3,000円前後
子宮頸がん検診自治体の助成で無料〜2,000円程度のことが多い
血液検査(貧血の確認など)おおむね1,000〜3,000円前後
ピルの種類を変更した場合薬代が変わることがあります

通説の検証

「出血したらピルが効いていない」は本当か

判定:出血は避妊効果の有無を示すものではありません。

不正出血が出ていても、飲み忘れなく飲めていれば、避妊効果は保たれているとされています。逆に、出血がまったくなくても、飲み忘れがあれば効果は不確実になります。

効果を左右するのは「出血の有無」ではなく「正しく飲めているか」です。

「出血したら、その日は飲まないほうがいい」は本当か

判定:逆です。予定どおり飲み続けてください。

飲むのをやめると、ホルモンの供給が止まって出血がさらに増えることがあります。そして避妊効果もなくなります。

出血は「飲むのをやめる理由」ではなく、「記録して相談する理由」です。

「不正出血が出るのは体に合っていない証拠」は本当か

判定:飲み始めの数か月なら、多くは想定内です。

1周期目にもっとも出やすく、2〜3周期目で減っていくのが一般的な経過とされています。ここでやめてしまうと、効果を確かめる前に終わります。

ただし3周期を過ぎても続くなら、製剤が合っていない可能性を考えます。そのときは「合っていない証拠」として受け止めて、種類の変更を相談してください。判断の境目は「3周期」です。

「ピルを飲んでいれば子宮の病気の心配はない」は本当か

判定:違います。処方と検診は別のものです。

低用量ピルは子宮内膜症の進行を抑える目的で用いられることがありますが、子宮頸部の病変を防ぐものではありません。

ピルを飲んでいても、子宮頸がん検診は必要です。とくに性交後の出血は、ピルの不正出血として片づけずに確認してください。この記事でいちばんお伝えしたいのは、この一点です。

4つの通説まとめ
  • 出血=効いていない:違います。効果を左右するのは正しく飲めているか
  • 出血したら飲まない:逆です。予定どおり飲み続ける
  • 合っていない証拠:飲み始めなら想定内。判断の境目は3周期
  • ピルを飲んでいれば安心:違います。処方と検診は別。性交後の出血は必ず確認を

よくある質問

Q 出血が続いています。ピルをやめたほうがいいですか?

A.自己判断でやめないでください。途中で中止すると、ホルモンの供給が急に止まることでかえって出血が増えることがあります。そして避妊効果もなくなります。飲み始めの3か月以内で、量が少量ならそのまま続けて様子を見るのが一般的です。ただし量が多い・痛みが強い・生活に支障があるなら、3か月待たずに連絡してください。「やめる」以外に「種類を変える」という選択肢があります。

Q 出血しているとき、避妊効果はありますか?

A.出血の有無と避妊効果は別のものです。飲み忘れなく飲めていれば、出血していても効果は保たれているとされています。逆に、出血がなくても飲み忘れがあれば効果は不確実になります。判断の基準は「出血しているか」ではなく「正しく飲めているか」。飲み忘れがあった場合の対処はピルの飲み忘れを確認し、迷うときは処方元に問い合わせてください。

Q 休薬期間に出血が来ませんでした。妊娠でしょうか?

A.飲み忘れがなく正しく飲めているなら、想定内のことが多いです。内膜が薄いため、はがれる量がごくわずかで出血として現れないことがあります。ただし飲み忘れがあった場合や、2周期続けて来ない場合は妊娠検査薬で確認し、受診してください。詳しくはピル服用中に生理が来ないで解説しています。次のシートは予定どおり始めてください。

Q 性交のあとに毎回出血します。ピルのせいですか?

A.ピルの不正出血として片づけないでください。繰り返す性交後の出血は、子宮頸部からの出血であることが多い症状です。ポリープ・びらん・炎症のほか、子宮頸部の病変が背景にあることもあります。子宮頸がんは初期に自覚症状が出にくく、性交後の出血が最初のサインになることがあります。ピルを飲んでいるかどうかとは無関係に起こります。「言いにくい」と感じるかもしれませんが、自分から伝えてください。医師にとっては診断に必要な情報です。

Q 飲み始めて1か月、ずっとだらだら出血しています。異常ですか?

A.1周期目はもっとも出血が出やすい時期で、だらだら続くこともあります。多くは2〜3周期目には減っていきます。量が少量(おりものに混じる程度〜ナプキン1〜2枚)なら、続けて様子を見るのが一般的です。この時期に記録をつけておくと、次の受診で役に立ちます。ただし生理の多い日のような量が続く・強い痛みがある・立ちくらみがするなら、待たずに連絡してください。「3か月は我慢」というルールではありません。

Q 出血が気になって、旅行やプールをキャンセルすべきか迷います。

A.量が少量なら、必ずしも諦める必要はありません。おりものシートやタンポンで対応できることも多いです。ただし出血の量が読めない時期(飲み始めの1〜2か月)に大事な予定を入れるのは、心理的な負担になります。予定が決まっているなら、あらかじめ受診時に相談してください。飲み始める時期を調整したり、生理日の移動を検討したりできることがあります。「相談していい」ことだと知っておいてください。

Q 出血が長引くと、貧血になりませんか?

A.少量の不正出血だけで貧血になることは多くありません。むしろ低用量ピルは経血量を減らすことがあり、結果として貧血の改善につながることがあります。ただし立ちくらみ・息切れ・強いだるさ・爪が割れやすいといった症状があるなら、血液検査で確認してください生理と貧血)。もともと経血量が多かった方は、ピルを飲む前から鉄が不足していた可能性もあります。「フェリチンも測ってもらえますか」と伝えてみてください。

Q 種類を変えれば出血は止まりますか?

A.変更によって落ち着く場合がありますが、全員がそうなるとは限りません。ピルは含まれるホルモンの種類や量が製剤ごとに異なるため、合うものを探すという考え方があります低用量ピルの種類)。どれに変えるかは医師が判断します。なお変更した直後は、また飲み始めと同じように出血が出ることがあります。「変えたのに出血した」と落胆せず、そこからまた数周期見ることになります。記録を続けておくと、比較ができて判断しやすくなります。

まとめ

ピルを飲んでいるときの出血は、まず「シートのどこにいるか」で分けてください。休薬期間なら消退出血、実薬の最中なら不正出血。それだけで、心配の度合いがかなり変わります。

そして飲み始めの数か月の出血は、多くが想定内です。ここでやめてしまうと、効果を確かめる前に終わってしまいます。判断の境目は3周期。それまでは記録をつけながら続けてみてください。

最後にもう一度だけ。性交後の出血だけは、ピルのせいにしないでください。これはピルを飲んでいるかどうかと無関係に起こる症状で、確認する価値があります。

この記事のポイントまとめ
  • 出血は①消退出血 ②不正出血(突破出血)③ピルと関係のない出血の3種類に分ける
  • 分かれ目は「シートのどこにいるか」。休薬期間なら①、実薬の最中なら②
  • 消退出血は生理とは仕組みが違う。薄い内膜がはがれるだけなので、量が少ないのは自然
  • 消退出血が来なくても、飲み忘れがなければ想定内のことが多い
  • 不正出血の原因は飲み始め/飲み忘れ/下痢・嘔吐/飲み合わせ/喫煙/製剤が合っていないの6つ
  • 1周期目がもっとも出やすく、2〜3周期で減る。判断の境目は3周期
  • 自己判断で中止しない。やめると出血が増えることがあり、避妊効果もなくなる
  • 出血の有無と避妊効果は別。効果を左右するのは「正しく飲めているか」
  • 【最重要】性交後に繰り返す出血は、ピルの不正出血として片づけない。子宮頸部の確認を
  • ピルを飲んでいても子宮頸がん検診は必要。処方と検診は別のもの
  • 記録はシートの何錠目か・量・飲み忘れの3つが診察でいちばん効く
  • ACHESの症状は出血とは別。中止してすぐ受診

今日できるのは、シートの何錠目で出血が始まったかをメモすることだけです。それが分かれば、次の受診で原因の絞り込みが一気に進みます。

この記事について

femnote 編集部

生理・妊活・フェムケア・更年期など女性の健康に関する情報を、厚生労働省「e-ヘルスネット」や日本産科婦人科学会をはじめとする各学会の診療ガイドラインなど、公的な資料をもとに編集しています。診断や治療の判断については、必ず医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会「OC・LEPガイドライン」
  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」
  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会「用語集・用語解説集|消退出血・不正性器出血」
  • 一般社団法人 日本女性医学学会「女性医学ガイドブック」
  • 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「患者向医薬品ガイド・添付文書情報」
  • 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル|血栓症」
  • 厚生労働省「がん検診|子宮頸がん検診」
  • World Health Organization「Medical eligibility criteria for contraceptive use」
  • American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG)「Combined Hormonal Birth Control」
  • National Health Service (NHS)「Combined pill|Side effects」