下着についたおりものの色が、いつもと違う気がする。黄色い。これは病気なのだろうか——。

おりものの色で検索する方が知りたいのは、たいてい「これは受診すべきか、様子を見ていいのか」という一点です。ところが調べると「黄色は注意」「黄緑は感染症」と並んでいるだけで、自分がどちらなのか判断できません。

この記事は、そこを埋めるために書きました。まず色を判断するときの大前提から始めます。実はここを知らないまま、正常なものを異常だと思い込んでいる方がとても多いのです。そのうえで色別に整理し、最後に「何色がいちばん急ぐのか」を緊急度の順に並べます。

先に結論だけ知りたい方へ
  • おりものは乾くと黄色くなります。下着についてから時間が経った色で判断しないでください
  • 判断するのは出たばかりの色。透明〜白っぽく、乾いて薄い黄色になる程度なら正常範囲です
  • 急ぐのは、黄緑・泡状・強い悪臭・発熱をともなうとき。これらは受診してください
  • 性行為の経験がなくても、おりものの異常は起こります。性感染症だけが原因ではありません

まず知ってほしい|色は「出たとき」で判断します

ここを飛ばすと、この先の色別ガイドを正しく使えません。いちばん大切な前提です。

おりものは、乾くと黄色くなります

おりものは、出たばかりのときは透明から白っぽい色をしています。ところが空気に触れて時間が経つと、含まれている成分が酸化して薄い黄色やクリーム色に変わります。

これは正常な変化です。りんごを切って置いておくと茶色くなるのと同じで、傷んだわけではありません。

ところが多くの方は、トイレで下着を見た瞬間に色を判断します。その時点で、おりものは出てから何時間も経っています。「下着が黄色い=異常」ではありません。

正しい見方
  • 出たばかりのものを見る——トイレットペーパーで拭ったときの色が、いちばん実態に近い色です
  • 下着についた色は参考程度に——時間が経ち、乾いて、酸化した後の色です
  • おりものシートを使っているなら、交換時ではなく、こまめに見る——長時間つけたままだと、より変色します
洗面所のタイルに重ねた白い綿の衣類と、水を張った器、無香料の固形石けん

「パンツが黄ばむ」のはなぜか

よく検索される疑問です。答えは前の項と同じで、おりものが酸化するからです。

加えて、洗濯しても黄ばみが落ちにくいのには理由があります。おりものにはたんぱく質が含まれており、時間が経つと繊維に定着します。さらに、お湯で洗うとたんぱく質が固まって余計に落ちにくくなります。

  • ぬるま湯(40℃以下)か水で予洗いする——熱いお湯は逆効果です
  • 脱いだあと、濡れたまま洗濯かごに放置しない
  • ときどき酸素系漂白剤でつけおきする
  • それでも落ちない下着は買い替えどきです

黄ばみそのものは、病気のサインではありません。ただし、黄ばみに加えて強いにおいがある、量が急に増えた、かゆみがあるといった変化があるなら、それは別の話です。

そもそも、おりものは何のためにあるのか

おりものは不要なものではありません。のなかを潤し、細菌の侵入を防ぎ、外に押し出す——自浄作用という防御の仕組みそのものです。

健康な膣内は乳酸菌のはたらきで酸性に保たれており、おりものにはその働きの結果が反映されています。「おりものがある=不潔」ではなく、「守られている」というサインだと考えてください。

正常なおりものの4つの基準

「正常」の輪郭がわかっていないと、何が異常なのかも判断できません。4つの軸で押さえてください。

正常の範囲
透明〜白っぽい。乾くとクリーム色〜薄い黄色になる
においほとんどない、または弱い酸っぱさ(膣が酸性に保たれている証拠)
下着に少しつく程度。排卵期に増えるのは正常
質感周期で変わる。排卵期はよく伸びる透明、生理前はとろみのある白

透明でよく伸びるおりものは、体が正常に働いているサインです

排卵の前後には、生卵の白身のように透明でよく伸びるおりものが増えます。指で取ると10cm近く伸びることもあり、「水っぽいものが大量に出て驚いた」という方もいます。

これは頸管粘液と呼ばれるもので、精子が子宮へ進みやすくするために性質が変わったものです。量が多くても、透明でにおいがなく、かゆみもないなら心配ありません。むしろ排卵が起きているサインとして受け取れます。

逆に、周期を通してまったく変化がない、あるいは急に量が減って乾燥する場合は、ホルモンの状態が影響していることがあります。周期によるおりものの変化で、時期ごとの姿を確認してみてください。

白・ピンク・淡い黄色・グレーなど、色の違う布を小皿に並べて比較した様子

色別ガイド|おりものの色から考えられること

ここからが本題です。出たばかりの色で見てください。

状態考えられること対応
透明 よく伸びる・水っぽい 正常(排卵期に多い) そのままで問題ありません
白っぽい とろみがある 正常(生理前に多い) 問題ありません
クリーム色・薄い黄色 乾いている・下着についている 正常(酸化した色) 問題ありません
濃い黄色 出たばかりで黄色い・量が増えた 炎症・感染の可能性 においやかゆみを併せて確認
黄緑色 膿のよう・悪臭 細菌感染・性感染症 受診してください
白くぽろぽろ カッテージチーズ状・強いかゆみ カンジダ膣炎 受診を。かゆみが決め手です
灰白色 さらさら・魚のようなにおい 細菌性膣症 受診を。洗っても治りません
緑・泡状 泡立っている・悪臭・かゆみ トリコモナス膣炎 受診を。パートナーの治療も必要です
茶色・ピンク・赤 血が混じっている 時期と量で意味が変わります 血が混じるおりものの記事

濃い黄色|ここに分かれ目があります

もっとも判断に迷うのが黄色です。冒頭に書いたとおり乾いた黄色は正常ですが、出たばかりで黄色い場合は意味が変わります。

分かれ目を整理します。

様子を見てよい黄色受診したい黄色
いつ黄色いか乾いた後・下着の上で拭った瞬間から黄色い
濃さクリーム色〜薄い黄色濃い黄色・黄緑がかっている
いつもと変わらない急に増えた
においほとんどない・弱い酸味強い・魚のよう・悪臭
かゆみ・痛みなしあり
質感いつもどおり膿のよう・泡立つ

右の列に2つ以上当てはまるなら、受診を検討してください。黄色いおりものの原因には、クラミジア淋菌による子宮頸管炎、外陰炎、まれに子宮頸管ポリープなどがあります。

白くぽろぽろなら、かゆみを確認してください

白いおりものは基本的に正常ですが、「ぽろぽろした固まり」+「強いかゆみ」の組み合わせなら話が変わります。カッテージチーズや酒粕にたとえられる状態で、カンジダ膣炎の典型です。

カンジダはもともと体にいる常在菌が増えすぎた状態で、性感染症ではありません。疲労、抗菌薬の使用、妊娠、蒸れなどがきっかけになります。かゆみ全般についてはこちらもご覧ください。

灰白色でさらさらなら、においを確認してください

色そのものよりにおいが決め手になるタイプです。灰白色でさらさらしたおりものに魚のような生臭さが伴い、性行為や生理のあとに強まるなら、細菌性膣症の可能性が高くなります。

特徴的なのは、かゆみがあまり出ないことです。ここがカンジダとの大きな違いです。においについてはデリケートゾーンのにおいの記事で、においの種類から原因を引ける形にまとめています。

茶色・ピンク・赤は、血が混じっています

これらの色は「おりものの色の変化」というより出血です。少量の血が混じると、時間が経って茶色に、新しいものはピンクや赤に見えます。

原因は時期によって大きく変わり、排卵期の出血、生理の前後、着床出血不正出血など幅があります。判断には色だけでなく「いつ起きたか」が必要になるため、おりものに血が混じる原因の記事で、色×時期の両軸で整理しています。

「何色がやばい」のか|緊急度の順に

よく検索される疑問に、はっきり答えます。色だけで危険度は決まりませんが、組み合わせで順位はつけられます。

緊急度状態どうするか
すぐ受診 発熱・強い下腹部痛をともなう/大量の出血/黄緑や膿のようなおりもの+強い痛み その日のうちに。骨盤内の炎症が疑われます
数日以内に受診 黄緑色/泡状/強い悪臭/白くぽろぽろ+強いかゆみ/灰白色+魚のようなにおい 治療が必要な状態です。市販薬で粘らないでください
2週間続くなら受診 濃い黄色が続く/量が明らかに増えた/茶色が生理と関係なく続く 様子を見る期間を決めておきます
様子を見てよい 透明・白・乾いて薄い黄色/周期に沿った変化 記録しておくと変化に気づけます

いちばん上の行だけ、性質が違います。発熱と強い下腹部痛をともなうおりものの異常は、感染が子宮や卵管まで広がっているサインのことがあります。ここは待たないでください。

性行為がなくても、おりものの異常は起こります

この章を独立させたのは、検索でよく聞かれるからです。「性行為をしていないのに黄色いおりものが出る」——不安と、ときに自責を抱えている方に向けて書きます。

性感染症以外の原因は、たくさんあります

原因性行為との関係
カンジダ膣炎関係ありません。常在菌が増えすぎた状態。疲労・抗菌薬・妊娠・蒸れが引き金
細菌性膣症性感染症ではありません。洗いすぎ・ストレス・疲れでも起こります
外陰炎下着の摩擦、洗いすぎ、かぶれなどで起こります
萎縮性膣炎閉経前後のエストロゲン低下によるもの
異物タンポンやおりものシートの取り残し
ホルモンの変動周期・妊娠・産後・思春期の変化

おりものの異常=性感染症、ではありません。むしろ日常的に起こるもののほうが多いくらいです。

それでも、性感染症を否定しきることはできません

一方で、正直に書いておくべきことがあります。クラミジアのような性感染症は、症状がほとんど出ないまま経過することがあり、また性交渉の形によっては本人が「性行為」と認識していない場合もあります。

心当たりがあってもなくても、検査を受けること自体は責められることではありません。婦人科では、おりものの検査は日常的に行われています。膣の感染症の種類の記事で、それぞれの症状を整理しています。

原因別|症状のセットで見分ける

色は入口ですが、確定するには症状の組み合わせで見ます。よくある原因を並べて比較します。

色・状態においかゆみその他
カンジダ膣炎 白くぽろぽろ(カッテージチーズ状) ほとんどない〜甘酸っぱい 非常に強い 外陰部の赤み・腫れ。性感染症ではありません
細菌性膣症 灰白色でさらさら 魚のような生臭さ ほとんどない 性行為や生理のあとに強まる。洗っても治りません
トリコモナス膣炎 黄緑色・泡状 強い悪臭 あり 性感染症。パートナーの同時治療が必要
クラミジア淋菌 黄色〜膿のよう。量が増える 強くなることも あまりない 症状が出ないことが多い。不正出血・性交痛・下腹部痛をともなうことも
萎縮性膣炎 黄色っぽい・少量 変化することがある ヒリヒリ感 閉経前後。乾燥・性交痛をともなう
外陰炎 変化は少ない 変化は少ない あり 下着の摩擦・洗いすぎ・かぶれが原因

「クラミジアのおりものは何色?」への答え

よく検索される質問ですが、正直に答えると「色だけでは判断できません」が答えになります。

クラミジアの厄介なところは、感染していても症状がほとんど出ないことが多い点です。出たとしても「おりものが少し増えた」「黄色っぽくなった」程度で、カンジダのような強いかゆみも、細菌性膣症のような特徴的なにおいもありません。

だからこそ、色で見分けようとするのではなく、検査で確かめるという考え方になります。放置すると卵管に炎症が広がり、不妊や子宮外妊娠のリスクにつながることがあるため、心当たりがあるなら一度検査を受けておく価値があります。

症状が軽くても検査を考えたほうがよい場合
  • 新しいパートナーができた/パートナーが変わった
  • コンドームを使わない性行為があった
  • パートナーに感染がわかった
  • 不正出血・性交時の痛み・下腹部の痛みをともなう
  • おりものの変化が2週間以上続いている

検査は保健所で無料・匿名で受けられる場合もあります。膣の感染症の種類の記事で、それぞれの検査と治療をまとめています。

パートナーに伝える必要があるかどうか

原因によって、答えがはっきり分かれます。

原因パートナーの治療
カンジダ膣炎原則不要。性感染症ではありません
細菌性膣症原則不要。男性パートナーを治療しても再発率は下がらないとされています
トリコモナス膣炎必要。片方だけ治しても戻ってしまいます
クラミジア・淋菌必要。相手も無症状のことが多く、検査が要ります

伝えにくいと感じる方が多い場面です。実際的な言い方をひとつ挙げておきます。「婦人科で検査したら◯◯だった。一緒に治さないと戻ってしまうと言われたので、検査に行ってほしい」——誰が誰にうつしたかの話にせず、治療の話として伝えるほうが、話が前に進みます。

感染の時期を特定することは、多くの場合できません。何年も無症状で経過することがあるためです。原因を探すより、二人とも治すことを優先してください。

色だけで判断しない|あわせて見る3つ

色は手がかりのひとつにすぎません。判断の精度を上げるには、次の3つを一緒に見ます。

見るもの正常の範囲気をつけたいサイン
におい 弱い酸っぱさ(正常な証拠) 魚のような生臭さ・強い悪臭。詳しくはこちら
周期のなかで増減する 急に増えた・シートが1日で足りない。詳しくはこちら
かゆみ・痛み なし 強いかゆみ・ヒリヒリ・排尿時の痛み。詳しくはこちら

目安として、色の変化だけなら様子を見てよいことが多く、色+におい、色+かゆみのように2つ以上重なったら受診を検討する——この基準を持っておくと迷いません。

色以外の手がかり|量と質感

正常な量の目安

おりものの量には大きな個人差があり、「何グラムまでが正常」といった基準はありません。実用的な目安はこうです。

  • 下着に少しつく程度——正常です
  • おりものシートが1日1〜2枚で足りる——正常範囲です
  • シートを何度も替える必要がある/下着から染み出す——多い状態です
  • 排卵期に増えるのは正常——周期のなかで最も多くなる時期です

量そのものについてはおりものの量の記事で詳しく扱っています。

質感からわかること

質感考えられること
よく伸びる・透明排卵期。正常です
とろみがある・白く濁る黄体期(生理前)。正常です
ぽろぽろした固まりカンジダを疑います(かゆみを確認)
さらさらして水っぽい細菌性膣症のことも。量が急に増えたなら受診を
泡立っているトリコモナスを疑います
膿のように粘る細菌感染。量が増えていれば受診を
カスのようなものが混じる古い分泌物のことが多い。かゆみがなければ様子を見て構いません

色・におい・量・質感の4つのうち、2つ以上がいつもと違うなら受診を検討する——これが実用的な線引きです。

周期とライフステージによる変化

生理周期のなかで、色も状態も変わります

時期色・状態
生理直後少ない茶色っぽさが少し残ることがある
卵胞期少なめさらっとして白っぽい
排卵期最も多い透明でよく伸びる(生卵の白身のよう)
黄体期(生理前)やや多い白く濁り、粘りが出る
生理直前減る茶色が混じることがある

周期による変化の詳細は周期によるおりものの変化に、周期そのものについては生理周期の記事にまとめています。

ライフステージによる違い

  • 思春期——初経の前後からおりものが出始めます。量も色も安定しないのが普通です
  • 妊娠中——量が増え、白っぽくなります。免疫の状態が変わるためカンジダを起こしやすい時期でもあります
  • 産後——数週間は悪露が続きます。強い悪臭や発熱をともなうときは感染のサインです
  • 更年期以降——エストロゲンが減り、量が減って乾燥します。萎縮性膣炎で黄色っぽくなることも。保湿ケアが助けになります

セルフチェック|10項目

いまの状態を確かめる10項目です。当てはまる数ではなく、どれに当てはまるかで判断してください。

ひとつでも当てはまれば受診を
  • 発熱や強い下腹部痛をともなう
  • □ おりものが黄緑色、または泡立っている
  • 強い悪臭がある
  • □ 白くぽろぽろした固まりが出て、強いかゆみがある
  • □ 灰白色でさらさらし、魚のようなにおいが続く
2週間続くなら受診を検討
  • 拭った瞬間から濃い黄色のおりものが続いている
  • □ おりものの量が明らかに増えた(シートを何度も替える)
  • 生理と関係なく茶色いものが続いている
  • □ 性交時の痛みや、性交後の出血がある
  • □ 排尿時にしみる、頻繁にトイレに行きたくなる

下の5項目のうち性交時の痛み・性交後の出血は、子宮頸部の状態が関わっていることがあります。子宮頸がん検診をしばらく受けていない方は、この機会に合わせて相談してみてください。子宮頸部異形成は自覚症状が出にくく、検診でしか見つからないことがあります。

「2週間様子を見る」あいだにすること

様子を見ると決めたなら、その期間をただ待つのではなく、判断材料を集める期間にしてください。あとで受診することになったとき、そのまま説明に使えます。

すること理由
拭ったときの色を毎日メモする下着の色ではなく、出たばかりの色が判断材料になります
おりものシートをこまめに替える蒸れを減らすと、それだけで改善することがあります
洗う回数を1日1回に減らす洗いすぎが原因だった場合、これで変わります
通気性のよい下着にする環境要因を外して、体側の問題かどうかを切り分けます
生理周期の何日目かを記録する周期に沿った変化なら、次の周期で同じ動きをします
逆に、この期間にしてはいけないこと
  • 市販薬を試してみる——症状が変わり、受診しても原因がわからなくなります
  • 膣内を洗う——自浄作用を壊し、状態を悪化させることがあります
  • 消臭スプレーでごまかす——変化に気づけなくなります
  • 2週間を過ぎても粘る——期限を決めた意味がなくなります

そして、途中で「すぐ受診」の項目に当てはまったら、2週間を待たずに行ってください。

観葉植物が置かれた、明るく清潔なクリニックの受付スペース

受診するとき|検査の流れと、してはいけない準備

診察では何をするのか

  • 問診——いつから、どんな色か、におい・かゆみの有無、周期との関係
  • おりものの検査——綿棒で採り、顕微鏡で見る/培養する
  • 必要に応じて内診・超音波——「内診が不安」と最初に伝えてかまいません
  • 性感染症が疑われる場合は、追加の検査

費用は保険診療で、検査を含めて数千円程度が目安です(内容により変わります)。子宮頸がん検診を同時に受けられることもあります。

受診の前に、してはいけないこと
  • 直前に念入りに洗わない。おりものを洗い流すと、検査で原因がわからなくなります
  • 膣洗浄をしない。同じ理由です
  • 可能なら生理中を避ける(検査がしにくくなります)
  • 市販薬を塗ってから行かない。症状が変わって診断が難しくなります

逆に、おりものがついた下着やシートを持っていくと役に立つことがあります。「実際の色を見てほしい」と伝えてください。

記録のしかた

2週間ほど記録すると、受診時の説明が格段に楽になります。書くのは4つだけです。

記録する4項目
  • ——透明/白/クリーム/濃い黄色/黄緑/茶色 から選ぶ
  • いつ見た色か——拭ったとき/下着の上で(これが重要です)
  • におい・かゆみの有無
  • 生理開始日から何日目か

この4つがあれば、周期に沿った変化なのか、そうでないのかが見えてきます。医師が問診で聞くのも、ほぼこの内容です。

日常のケア|やりすぎないことが要点です

おりものが気になると洗浄を強めがちですが、これは逆効果になることがあります。

  • 膣の内側は洗わない。自浄作用を壊し、かえって異常が起きやすくなります
  • 洗うのは外側だけ、1日1回、やさしく。手順は洗い方の記事
  • おりものシートはこまめに替える。つけっぱなしは蒸れと変色のもとです(おりものシート
  • 通気性のよい下着を選ぶ。綿素材、締めつけないもの
  • 拭くときは前から後ろへ。菌を運ばないためです
  • 専用ソープは必須ではありません(ソープの選び方

よくある質問

Q おりものは何色だとやばいですか?

A.急ぐ順に言えば、発熱や強い下腹部痛をともなうものが最優先です。次に黄緑色・泡状・強い悪臭。これらは治療が必要な状態です。色だけで危険度は決まりません——同じ黄色でも、乾いた後の黄色は正常、出たばかりで濃い黄色なら要注意です。色に「におい」「量」「かゆみ」を合わせて見てください。

Q 下着が黄色くなるのですが、病気でしょうか?

A.多くの場合、正常です。おりものは空気に触れて酸化すると黄色くなります。下着で見る色は、出てから何時間も経った後の色です。判断するならトイレで拭ったときの色を見てください。黄ばみが落ちにくいのはたんぱく質が繊維に定着するためで、ぬるま湯か水で予洗いすると落ちやすくなります(熱いお湯は逆効果です)。ただし黄ばみに加えて強いにおい・かゆみ・量の急増があるなら、受診を検討してください。

Q 性行為をしていないのに、おりものが黄色くなりました

A.性行為がなくても、おりものの異常は起こります。カンジダ膣炎細菌性膣症も性感染症ではなく、疲労・抗菌薬・洗いすぎ・蒸れなどで起こります。外陰炎や、閉経前後の萎縮性膣炎もあります。おりものの異常=性感染症ではありません。受診をためらう理由にはならないので、気になる状態が続くなら相談してください。

Q カンジダのおりものはどんな色ですか?

A.白色です。ただし色より質感とかゆみが決め手になります。カッテージチーズや酒粕のようなぽろぽろした固まりで、強いかゆみをともなうのが典型です。白いおりもの自体は正常なことが多いので、色だけでは判断できません。「白い+ぽろぽろ+かゆい」が揃ったらカンジダ膣炎を考えてください。

Q 茶色いおりものが出ました。生理ではありません

A.茶色は少量の血が混じって時間が経った色です。排卵期の出血、生理の前後、着床出血など生理的なものも多いのですが、生理と関係なく続く場合は不正出血として調べる必要があります。判断には「いつ起きたか」が必要なので、血が混じるおりものの記事で色×時期の両軸から確認してください。

Q 市販薬で治せますか?

A.原因によります。カンジダ膣炎については、過去に医師の診断を受けたことがある再発に限って市販薬が使えます。初めての症状では使えません。理由は、カンジダだと思ったものが細菌性膣症やトリコモナスだった場合、市販薬では治らないどころか診断が遅れるからです。細菌性膣症とトリコモナスは、市販薬では治りません。自己判断で塗ってから受診すると、検査結果が変わることもあります。

Q おりものの色は、どのくらいで元に戻りますか?

A.周期による変化なら、数日で次の状態に移ります。疲れや蒸れが原因なら、生活を整えて1〜2週間が目安です。一方、感染が原因の場合は、放っておいても戻りません。治療すれば数日で改善することが多いので、「2週間続いたら受診」と期限を決めておくと、だらだら悩まずに済みます。

Q おりものシートは毎日使ってもいいですか?

A.使っても構いませんが、こまめに替えることが条件です。3〜4時間ごとが目安。一日つけっぱなしにすると、湿気と分泌物がこもって蒸れ、かぶれやにおいの原因になります。また長時間つけたままだと、おりものがより変色します——色を判断したいなら、なおさらこまめに替えてください。詳しくはおりものシートの記事を。

Q 婦人科に行くのが恥ずかしいです

A.おりものの相談は、婦人科でもっともよくある受診理由のひとつです。医療者にとっては日常的なもので、呆れられることはありません。予約の際に「おりものが気になる」とだけ伝えれば通じます。内診が不安なら、そう伝えてかまいません。何週間も一人で悩み続けるより、検査で原因がはっきりするほうが、結果的にずっと早く終わります。

まとめ

おりものの色で悩む方の多くは、実は正常なものを異常だと思い込んでいます。下着が黄色いのは、おりものが酸化した結果であって、病気のサインではありません。

判断するなら出たばかりの色を。そして色だけでなく、におい・量・かゆみを合わせて見てください。2つ以上重なったときが、受診を考えるタイミングです。

そして、性行為の経験がなくてもおりものの異常は起こります。自分を責める必要も、受診をためらう必要もありません。

この記事のポイントまとめ
  • おりものは乾くと黄色くなる。下着についた色ではなく、拭ったときの色で判断する
  • 「パンツが黄ばむ」のは酸化とたんぱく質の定着。ぬるま湯か水で予洗い(熱いお湯は逆効果)
  • 透明・白・乾いて薄い黄色は正常範囲
  • 急ぐのは①発熱や強い腹痛をともなうもの ②黄緑・泡状・強い悪臭
  • 白くぽろぽろ+強いかゆみ=カンジダ/灰白色+魚のようなにおい=細菌性膣症
  • 茶色・ピンク・赤は「色」ではなく出血。時期と合わせて判断する
  • 性行為がなくても異常は起こる。カンジダも細菌性膣症も性感染症ではない
  • 色だけで決めず、におい・量・かゆみを合わせて見る。2つ以上重なったら受診
  • 受診前に念入りに洗わない・市販薬を塗らない——検査で原因がわからなくなります
  • 膣の内側は洗わない。洗いすぎは自浄作用を壊し、かえって異常を招く

この記事について

femnote 編集部

生理・妊活・フェムケア・更年期など女性の健康に関する情報を、厚生労働省「e-ヘルスネット」や日本産科婦人科学会をはじめとする各学会の診療ガイドラインなど、公的な資料をもとに編集しています。診断や治療の判断については、必ず医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」(腟炎・帯下異常の項)
  • 日本産科婦人科学会「用語集・用語解説集」(帯下・腟の自浄作用)
  • 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン」
  • 日本女性医学学会「女性医学ガイドブック 更年期医療編」(閉経関連泌尿生殖器症候群の項)
  • 厚生労働省「性感染症に関する特定感染症予防指針」