静かな部屋で、キーンという高い音が聞こえる。テレビを消したとたん、ザーという音に気づく。夜、布団に入ると、その音だけが大きくなる——耳鳴りは、まわりの人には聞こえない音です。だから説明しづらく、「気のせい」「疲れているだけ」で片づけられやすい症状でもあります。

そして多くの場合、こう言われます。「歳のせいですね」と。

たしかに加齢は大きな要因です。けれど、それだけで説明してしまうと見落とすものがあります。片耳だけなのか、両耳なのか。耳が詰まった感じを伴うのか。めまいと一緒に来るのか。いつから始まったのか。——これらによって、考えるべきことはまったく変わります。

そして女性の場合、耳鳴りの背景に「貧血」「ホルモンの変化」「自律神経の乱れ」が重なりやすいという事情があります。この記事では、耳鳴りという症状そのものの説明に加えて、女性の体の側から見た背景を整理します。

この記事の使い方

まず確認|すぐに受診したほうがよい耳鳴り

耳鳴りの多くは、命に関わるものではありません。ただし「早く受診すれば結果が変わる」タイプが確実に存在します。ここだけは先にお伝えします。

できるだけ早く(数日以内に)耳鼻咽喉科へ
  • ある日突然、片耳だけに起こった
  • 聞こえが悪くなった(電話が聞き取りにくい、片耳をふさぐと差がある)
  • 耳が詰まった感じ・膜が張った感じを伴う
  • 強いめまいを伴う
  • 耳の痛み、耳だれがある
  • 頭を打ったあと、大きな音を聞いたあとに始まった

特に「突然」「片耳」「聞こえにくい」の3つがそろったときは、突発性難聴の可能性があります。治療開始が早いほど回復が期待できるとされており、後述のとおり時間が重要です。「様子を見て、来週も続いていたら」ではなく、その週のうちに受診してください。

その日のうちに救急受診を考えるサイン
  • 片側の手足の力が入らない、しびれ、ろれつが回らない
  • 激しい頭痛、意識がぼんやりする
  • 立っていられないほどのめまいと嘔吐が続く
  • 心臓の拍動に合わせてドクドクと聞こえる耳鳴りが、突然強くなった

逆に、両耳で、何年もかけて少しずつ、静かなときだけ気になる——という耳鳴りであれば、急ぐ必要はありません。ただし一度は耳鼻咽喉科で聴力を測っておくと、その後の安心につながります。

耳鳴りとは|音がしていないのに聞こえる仕組み

耳鳴りは、外で音が鳴っていないのに、音が聞こえていると感じる状態です。「気のせい」ではなく、実際に脳がその音を認識しています。

耳ではなく、脳が鳴らしている

耳の奥(内耳)には、音を電気信号に変える細かい細胞が並んでいます。この細胞は、大きな音、加齢、血流の低下などによって傷んでいきます。

すると、その細胞が担当していた高さの音の情報が、脳に届かなくなります。脳にとっては、急に一部の入力が途切れた状態です。ここで脳は、足りない入力を補おうとして感度を上げます。その結果、本来なら無視されるはずの信号を「音」として拾ってしまう——これが耳鳴りの主な仕組みと考えられています。

つまり耳鳴りは、耳の問題であると同時に、脳が起こしている現象でもあります。だから「耳を治せば止まる」とは限らず、逆にストレスや不眠で悪化するという性質を持ちます。

なぜ静かなときに大きくなるのか

多くの方が「夜、布団に入ると大きくなる」と言います。これは音が大きくなったのではなく、まわりの音が減って、相対的に目立つようになったためです。

加えて、静かな環境では意識がその音に集中します。意識が向くほど脳はその信号を重要だと判断し、さらに拾いやすくなります。「気にすると大きくなる」というのは、気の持ちようの話ではなく、実際に起きていることなのです。

この性質は、あとで説明するセルフケアの考え方につながります。

音の種類でわかること

耳鳴りの音は人によって違います。音の種類は、原因を絞り込む手がかりのひとつになります。

音の種類 考えられること
キーン、ピー(高い音) もっとも多いタイプ。加齢による聴力の変化、大きな音を聞いたあと、ストレスや疲労など
ザー、シャー(雑音のような音) 高い音と同様に多いタイプ。血流や自律神経の影響を受けやすいとされます
ゴー、ボー(低い音) 耳が詰まった感じを伴いやすい。低音障害型感音難聴やメニエール病で見られることがあります(後述
ドクドク、ザッザッ(脈に合わせて鳴る) 拍動性耳鳴り。血流の音を拾っている状態。貧血、血圧、まれに血管の異常。一度は受診をおすすめします
カチカチ、コトコト 耳のまわりの筋肉のけいれん、あごの関節の音など
拍動性耳鳴りについて
自分の脈拍と同じリズムで鳴るタイプは、ほかと少し性質が違います。多くは血流の変化(貧血、血圧の変動、耳のまわりの血管)を反映したもので、女性では貧血が背景にあることが少なくありません後述)。まれに血管の異常が隠れていることもあるため、続く場合は一度耳鼻咽喉科か内科で相談してください。

片耳か、両耳か|いちばん大きな手がかり

音の種類よりも重要なのが、「片耳だけか、両耳か」です。これは受診の緊急度を左右します。

  両耳 片耳
頻度 多い 両耳より少ない
始まり方 少しずつ、いつからか分からない ある日突然のことが多い
主な背景 加齢による聴力の変化、騒音、ストレス、疲労、貧血、血圧 突発性難聴、メニエール病、低音障害型感音難聴、耳垢のつまり、中耳の問題
受診の急ぎ方 一度は聴力検査を。急ぐ必要はないことが多い 急いで耳鼻咽喉科へ

片耳かどうかの確かめ方

意外に分かりにくいものです。次の方法で確かめてみてください。

  • 静かな部屋で、片方ずつ耳を手でふさいでみる。音が変わるか、片側だけで聞こえるか
  • スマホを片耳ずつに当てて、同じ音量で同じように聞こえるか比べる
  • 指を耳のそばでこすって、左右で聞こえ方に差がないか確かめる

「なんとなく片方な気がする」という段階でも、受診時に伝えてください。聴力検査をすれば、左右差は数字ではっきり出ます。

「耳が詰まった感じ」を伴うとき

耳鳴りと一緒に、耳が詰まった感じ・膜が張った感じ・水が入ったような感じがあるなら、それは大切な情報です。飛行機や新幹線のあとの一時的なものを除けば、この組み合わせには意味があります。

低音障害型感音難聴|若い女性に多いタイプ

あまり知られていませんが、20〜40代の女性に比較的多いタイプの難聴があります。低音障害型感音難聴と呼ばれるものです。

  • 低い音(ゴー、ボー)の耳鳴り
  • 耳が詰まった感じ、膜が張った感じ
  • 自分の声が響いて聞こえる
  • 低い音が聞き取りにくい
  • 片耳のことが多い
  • 強い回転性のめまいは伴わないことが多い

背景には、過労・睡眠不足・ストレスが関わるとされ、忙しい時期に起こりやすい傾向があります。繰り返すことがあるのも特徴です。

大切なのは、これも早めの受診で経過が変わりうるという点です。「耳が詰まった感じだけだから」と様子を見てしまいがちですが、聴力検査をすれば低い音の聞こえが落ちていることが分かります。

そのほか、耳が詰まった感じを起こすもの

原因 特徴
耳垢のつまり 片耳が急にこもる。耳かきでかえって押し込んでいることも。自分でほじらず耳鼻科で取ってもらうのが安全
耳管狭窄症・耳管開放症 耳と鼻をつなぐ管の不調。耳管開放症は急な体重減少や脱水がきっかけになることがあり、女性にも見られます。横になると軽くなるのが特徴
滲出性中耳炎 鼓膜の奥に液がたまる。風邪や鼻炎のあとに
メニエール病 詰まった感じ+回転性めまいの発作を繰り返す(後述
突発性難聴 突然、片耳。急いで受診後述

なぜ女性に多いのか|3つの入口

耳鳴りは男女どちらにも起こります。ただ、女性には耳鳴りにつながりやすい条件が3つ重なりやすいという事情があります。

入口 なぜ耳鳴りにつながるか
①貧血・鉄不足 内耳は血流の影響をとても受けやすい器官です。酸素を運ぶ力が落ちると、内耳の細胞が影響を受けます。生理のある女性は毎月鉄を失っています
②ホルモンの変動 生理周期、妊娠、更年期と、女性の体は一生を通じてホルモンが大きく動きます。血流や自律神経の調節にも影響します
③自律神経の乱れ・睡眠不足 耳鳴りは脳の感度が上がることで悪化します。眠れない、緊張が続く状態はその条件をつくります

この3つは独立していません。鉄が足りない → だるくて眠りが浅い → 自律神経が乱れる → 耳鳴りが気になる → さらに眠れないという形で、簡単につながります。だからこそ、ひとつずつほどいていく価値があります。

更年期と耳鳴り

40代後半から50代にかけて、耳鳴りを自覚し始める方が増えます。この時期には、複数の変化が同時に起こっています。

この時期に重なること

  • 加齢による聴力の変化が始まる——高い音から少しずつ聞こえにくくなります。本人が自覚する前に、耳鳴りとして先に現れることがあります
  • 自律神経の調節が不安定になる——自律神経の乱れは血流にも影響します
  • 眠りが浅くなる——寝つけない・途中で目が覚める状態が続くと、耳鳴りは気になりやすくなります
  • 寝汗やホットフラッシュで消耗する——寝汗で夜中に着替える生活は、睡眠の質を確実に削ります
  • 閉経前の経血量が増えることがある——移行期には出血量が多くなる方がいて、鉄が急に減ることがあります
  • 介護・仕事・家庭の負荷が重なる時期

「更年期だから」で終わらせないために

ここは、はっきり書いておきます。

エストロゲンの減少が直接、耳鳴りを起こすという因果が証明されているわけではありません。この時期に耳鳴りが増えるのは、加齢・自律神経・睡眠・貧血といった要素が同時に動くためだと考えるほうが正確です。

そして実際上、もっと大事な理由があります。「更年期のせい」と決めてしまうと、片耳の突発性難聴や、めまいを伴うメニエール病を見逃すことがあるからです。

更年期世代の方に、特に確認していただきたいこと
  • 両耳ですか、片耳ですか——片耳なら「更年期だから」ではありません
  • いつからですか——「ある日突然」なら急いでください
  • 聞こえは落ちていませんか——テレビの音量が上がっていませんか
  • 健診で貧血を指摘されたことは——経血量が増えていませんか

更年期の不調全般については更年期障害とはで解説しています。婦人科で相談する場合も、耳鳴りについては一度耳鼻咽喉科で聴力を測っておくことをおすすめします。

貧血・鉄不足と耳鳴り

耳鳴りの相談で、意外と見落とされているのが鉄です。

内耳は血流にとても敏感な器官

内耳の細胞は、細い血管から酸素と栄養を受け取っています。予備の血管が乏しく、血流が落ちるとすぐに影響を受ける構造です。だから、酸素を運ぶ力が落ちる貧血は、耳鳴りやめまい、ふらつきとして現れることがあります。

貧血の症状としてよく挙がるのは、だるさ、息切れ、動悸、頭痛、めまい、そして耳鳴りです。特に立ち上がったときにドクドクと脈打つ耳鳴りがするという場合、貧血が背景にあることは珍しくありません。

診察室でグレーの服を着た50代前後の女性が、白衣の看護師から検査について説明を受けている様子

健診で「貧血なし」でも足りていないことがある

ここは、この記事でぜひ知っておいていただきたい点です。

健診で調べるヘモグロビンは「今、血液の中で働いている鉄」の量です。一方、体には貯蔵鉄(フェリチン)という蓄えがあります。

鉄が足りなくなるとき、体はまず蓄えから使います。だからフェリチンが減ってもヘモグロビンはしばらく正常のままで、健診には出てきません。この段階でも、だるさ・めまい・耳鳴り・抜け毛・繰り返す口内炎は起こりえます。

確認したい方へ|そのまま使える一文
  • 「耳鳴りが続いていて、鉄が足りていないか気になります。フェリチンも測っていただけますか」
  • 経血量が多い自覚があるなら「生理の量が多いほうだと思います」と添える
  • 受診先は内科・婦人科どちらでも構いません

詳しくは生理と貧血・鉄不足をご覧ください。経血量が多い方子宮筋腫を指摘されている方は特に確認しておく価値があります。

鉄のサプリを自己判断で飲み続けないでください

鉄は「足りないなら飲めばいい」という単純なものではありません。過剰になると体に負担がかかることがあり、また鉄が減る背景に別の原因が隠れていることもあります。まず測る、それから考える——この順番をおすすめします。

妊娠中の耳鳴り

妊娠中に耳鳴りを感じる方もいます。心配になりますが、背景を知ると理解しやすくなります。

妊娠中に起こりやすい理由

  • 循環血液量が大きく増える——妊娠中は血液量が増えますが、血球より血漿(液体成分)の増え方が大きいため、見かけ上、血が薄まった状態になります。これに鉄不足が重なると、耳鳴りやふらつきとして出ることがあります
  • 鉄の必要量が増える——赤ちゃんに優先的に使われるため、妊婦健診で貧血を指摘される方は少なくありません
  • 鼻の粘膜が腫れやすくなる——妊娠中は鼻づまりが起こりやすく、耳と鼻をつなぐ管の通りが悪くなって、耳が詰まった感じや耳鳴りにつながることがあります
  • 血圧の変動——立ちくらみと一緒に起こることがあります
  • 睡眠が細切れになる——後期は特に
妊娠中に必ず伝えてほしいこと
  • 耳鳴りが続くなら、まず妊婦健診で相談してください。貧血の値を確認してもらえます
  • 片耳だけ・突然・聞こえにくいなら、妊娠中でも耳鼻咽喉科を受診してください。「妊娠◯週です」と最初に伝えます
  • 強い頭痛・目がチカチカする・むくみが急に強くなったという症状を伴う場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があるため、すぐに産科へ連絡してください
  • 鉄剤やサプリメントは自己判断で始めず、必ず健診で相談を

立ちくらみと一緒に起こる耳鳴り

「立ち上がった瞬間に、目の前が暗くなってサーッと耳鳴りがする」——これはよくあるパターンです。

急に立ち上がると、血液が下半身に移動し、一時的に脳や内耳への血流が減ります。多くの場合、数秒から十数秒で回復します。

ただし、頻度が高い、倒れそうになる、朝がつらいという場合は、低血圧や貧血、脱水が背景にあることがあります。

  • 立ち上がるときはゆっくり、段階的に——寝た姿勢からいきなり立たない
  • 水分をとる——特に寝汗をかいた朝、暑い日
  • 朝食を抜かない
  • 倒れそうなときはその場でしゃがむ(我慢して立っているのがいちばん危険です)

メニエール病|30〜50代の女性に多い

耳鳴りとめまいが一緒に来るとき、必ず候補に挙がるのがメニエール病です。

どんな病気か

内耳にはリンパ液が満たされていて、音や体の傾きを感じ取っています。このリンパ液が増えすぎた状態(内リンパ水腫)が背景にあると考えられています。

特徴は、発作を繰り返すことです。

  • ぐるぐる回る強いめまい——数十分から数時間続くことが多い
  • 耳鳴り(低い音のことが多い)
  • 耳が詰まった感じ
  • 聞こえにくさ——発作のたびに変動する
  • 吐き気・嘔吐を伴うことが多い
  • 多くは片耳から始まる

めまいだけ、耳鳴りだけ、ではなく「めまい+耳の症状」がセットで、繰り返すというのがポイントです。

女性にとって知っておく意味

メニエール病は30〜50代に多く、女性にやや多いとされています。つまり、仕事や家庭でもっとも忙しく、睡眠が削られやすい年代に重なります。

発症や発作の誘因として、睡眠不足・過労・ストレス・気圧の変化が挙げられます。「休みなさい」と言われても休めない年代であることが、この病気の難しさでもあります。

そして更年期世代の場合、めまいを「更年期のめまい」と受け取ってしまうことが起こります。更年期のめまいは、ふわふわする感じで、耳の症状(詰まった感じ・聞こえにくさ)を伴わないことがほとんどです。耳の症状がセットなら、耳鼻咽喉科へ。ここが分かれ道になります。

受診時に伝えると診断が早くなること
  • めまいが何分・何時間続いたか(数秒なのか、数時間なのかで考えることが変わります)
  • ぐるぐる回るのか、ふわふわするのか
  • 発作のときに耳の詰まりや聞こえにくさがあったか
  • これまでに何回あったか
  • 直前に何があったか(睡眠不足、天気、ストレスなど)

突発性難聴|時間が勝負

この項目は、この記事のなかでもっとも「知っているかどうかで結果が変わる」部分です。

どんな病気か

突発性難聴は、ある日突然、片耳の聞こえが悪くなる病気です。原因ははっきり分かっていませんが、内耳の血流やウイルスの関与などが考えられています。

  • 突然(多くは「いつ起きたか言える」ほど急)
  • 片耳
  • 聞こえにくさ
  • 耳鳴り、耳が詰まった感じを伴うことが多い
  • めまいを伴うこともある

なぜ急ぐのか

治療の開始が早いほど、聞こえの回復が期待できるとされているためです。一般に発症から1週間以内、できれば数日以内の受診が望ましいと言われます。

逆に、時間が経ってから受診した場合、回復が難しくなることがあります。「疲れているだけかも」「そのうち治るかも」と様子を見ることが、いちばん避けたい対応です。

迷ったときの判断

「大げさかもしれない」と思って受診をためらう方が本当に多いのですが、突発性難聴に関しては早すぎる受診というものはありません。違ったなら「違いました」で終わりますし、その安心には十分な価値があります。週末をはさむなら、月曜を待たずに土曜に開いている耳鼻咽喉科を探してください。

片頭痛と耳鳴り

頭痛持ちの方で、頭痛の前後に耳鳴りや音が響く感じを経験する方がいます。

片頭痛は「頭が痛くなる病気」というだけでなく、光・音・においに過敏になるという性質を持ちます。頭痛の前に耳鳴りや聴覚の過敏が出たり、めまいを伴ったりすることもあります。

また、片頭痛は女性に多く、生理周期と関係して起こることが知られています。生理前後に頭痛と耳鳴りが同時に来る、という方は、その周期性を記録しておくと相談しやすくなります。

くわしくは更年期の頭痛生理と頭痛、天気との関係は低気圧と頭痛で解説しています。

あご・首・肩から来る耳鳴り

耳の近くには、あごの関節と、たくさんの筋肉があります。ここの緊張が耳鳴りに関わることがあります。

顎関節症

あごの関節は耳のすぐ前にあります。口を開けるとき、耳の前に指を当てると動くのが分かります。

  • 口を開けるとカクッと音がする、痛む
  • 口が大きく開かない
  • 歯ぎしり・食いしばりの自覚がある
  • 朝、あごが疲れている

こうした症状と耳鳴りが同時にあるなら、あごの関節や周囲の筋肉の緊張が関わっている可能性があります。歯科・口腔外科で相談できます。

首・肩のこり

首や肩の筋肉が強く緊張していると、耳のまわりの血流や神経に影響することがあります。デスクワーク、スマホ、猫背の姿勢が続く方に多いパターンです。

「夕方になると耳鳴りが強くなる」「肩がガチガチのときにひどい」という自覚があるなら、姿勢と休憩の取り方を見直す価値があります。

ストレス・睡眠と耳鳴りの悪循環

耳鳴りは、脳の感度が上がることで大きく感じられるという性質を持っています。だからストレスと睡眠は、単なる「気の持ちよう」ではなく、実際に音の感じ方を左右します。

典型的な悪循環

  • 耳鳴りに気づく
  • 「何かの病気では」と不安になる
  • → 音に意識が集中する
  • → 脳がその信号を「重要」と判断して拾いやすくなる
  • → さらに大きく感じる
  • 夜、気になって眠れない
  • → 睡眠不足で疲れが抜けず、自律神経も乱れる
  • → 耳鳴りがさらに気になる

この輪のどこかを切ることが対策になります。いちばん切りやすいのは「不安」と「静けさ」の部分です。

不安を減らすには、まず確認すること

逆説的ですが、「一度きちんと検査を受けること」が、いちばんの不安対策になります。聴力を測り、必要な検査を受けて、危険なものではないと分かることで、意識が向きにくくなります。

「調べて何か見つかったら怖い」と受診を先延ばしにするほど、不安は大きくなります。不安が強い状態が続いているなら、そちらも含めて相談して構いません。

飲んでいる薬が関係していることがある

薬の影響で耳鳴りが出ることがあります。思い当たる時期に薬が変わっていないかを振り返ってみてください。

薬の種類 備考
解熱鎮痛薬の常用 特に大量・長期の使用で耳鳴りが出ることが知られています。頭痛薬を毎日のように飲んでいる方は要注意
一部の抗菌薬 内耳に影響しうる種類があります
利尿薬 種類によっては影響することがあります
一部の抗がん剤 聴力への影響が知られているものがあります
鉄剤を飲み始めた/やめた 直接の原因というより、貧血の状態が変わったことの反映のことがあります
大切なこと

ここに挙げた薬を自己判断でやめないでください。「この薬を飲み始めてから耳鳴りが気になります」と主治医・薬剤師に伝えれば、種類の変更や量の調整を検討してもらえます。受診時はお薬手帳を持参してください。特に頭痛薬を月に10日以上飲んでいる方は、その頻度自体を相談する価値があります。

何科に行けばいいか・どんな検査をするか

受診先

状況 受診先
突然・片耳・聞こえにくい 耳鼻咽喉科(急いで)
耳が詰まった感じを伴う 耳鼻咽喉科
回転性のめまいを繰り返す 耳鼻咽喉科
両耳・少しずつ・だるさや動悸を伴う 内科(貧血・血圧の確認)+一度は耳鼻咽喉科
経血量が多い・生理が長い 婦人科(鉄と生理の両方を相談できます)
あごの音・食いしばりを伴う 歯科・口腔外科
頭痛とセットで起こる 脳神経内科・頭痛外来
妊娠中 まず妊婦健診で相談。片耳・突然なら耳鼻咽喉科へ(妊娠中と伝える)
耳鼻咽喉科でヘッドホンを装着して聴力検査を受ける50代前後の女性と、そばで見守る白衣の女性医師

どんな検査をするか

  • 問診——いつから、片耳か両耳か、音の種類、聞こえの変化、めまいの有無、薬
  • 耳の中を見る——耳垢や鼓膜の状態。ここだけで解決することもあります
  • 聴力検査——ヘッドホンで音を聞いて反応する検査。左右差と、どの高さの音が落ちているかが分かります
  • ティンパノメトリー——鼓膜の動きや中耳の状態を調べます
  • 血液検査——貧血、甲状腺、血糖などを確認することがあります
  • 平衡機能検査・画像検査——めまいが強い場合や、片耳の症状が続く場合に
受診の前に、これだけメモしておくと話が早くなります
  • いつから(「6月ごろから」「3日前の朝、突然」)
  • 片耳か両耳か
  • どんな音か(キーン/ザー/ゴー/ドクドク)
  • 聞こえにくさ・詰まった感じ・めまいの有無
  • 強くなる場面(夜、疲れたとき、天気が悪い日、生理前など)
  • 飲んでいる薬(お薬手帳を持参)
  • 直近の健診結果(貧血の値があると助かります)

治療とセルフケア・通説の検証

治療の考え方

耳鳴りの治療は、原因がはっきりしているものと、そうでないもので分かれます。

  • 原因が特定できる場合——耳垢のつまり、中耳炎、突発性難聴、メニエール病など。それぞれの治療を行います
  • 原因が特定できない場合——「耳鳴りそのものを消す」よりも、気にならない状態に近づけることを目標にします

後者では、音響療法(適度な音を流して耳鳴りを目立たなくする)や、耳鳴りとの向き合い方を学ぶアプローチ、聞こえの低下がある場合の補聴器などが検討されます。血流や神経のはたらきに関わる薬、漢方薬が用いられることもあります。

更年期の不調全体として相談したい場合は、ホルモン補充療法漢方という選択肢もあります。ただし耳鳴りそのものを目的とした治療ではないため、まずは耳鼻咽喉科で耳の状態を確認したうえで相談してください。

今日からできるセルフケア

「静けさ」を減らす
  • 完全な無音を避ける。夜、小さな音量で静かな音楽・ラジオ・扇風機の音などを流すと、耳鳴りが相対的に目立たなくなります
  • ただしイヤホンで大きな音を長時間聞くのは逆効果です
  • 寝るときに使うなら、タイマーで自動的に切れる設定にすると安心です
  • 睡眠を整える——耳鳴り対策としても意味があります(眠れないとき
  • 大きな音から耳を守る——コンサートや工事現場では耳栓を
  • 耳かきをしすぎない——奥に押し込んだり、傷つけたりします
  • カフェイン・アルコール・喫煙を見直す——血流や睡眠に影響します
  • 首と肩をゆるめる——長時間同じ姿勢を続けない
  • 水分をとる——脱水は血流に影響します
  • 生活習慣を整える更年期の生活習慣
夜のベッドサイドテーブルに置かれた、灯りのともった小さなランプと小型スピーカー、水の入ったグラス

耳鳴りで眠れない夜の過ごし方

耳鳴りがいちばんつらいのは、たいてい夜です。まわりが静かになるほど目立ち、眠れないほど翌日つらくなり、疲れるとまた大きく感じる。この夜をどう過ごすかは、それ自体が対策になります。

時間帯 できること
寝る1時間前 照明を落とす。スマホで耳鳴りについて検索しない(不安が増えると音は大きく感じます)。ぬるめの入浴で首と肩をゆるめる
布団に入る前 小さな音を用意する。扇風機、加湿器、静かな音楽、雨や川の音など。「耳鳴りより少し小さいか、同じくらい」の音量が目安。かき消そうとして大きくしない
横になったら 音を追いかけない。耳鳴りを消そうとするほど意識が集中します。呼吸をゆっくり数える、体の力を足先から順に抜くなど、注意を別の場所に置く
眠れないまま30分たったら いったん布団を出る。「布団=眠れない場所」と体が覚えてしまうのを防ぎます。暗めの部屋で静かに過ごし、眠気が来てから戻る
夜中に目が覚めたら 時計を見ない。音は再びタイマーで流してよい。寝汗で起きたなら、着替えと水分を先に
カーテンを開けて光を浴びる。眠れなかった日ほど、朝の時間を崩さないほうが翌日の眠りが整います

音を流すときはタイマーで自動的に切れる設定にしておくと安心です。イヤホンではなくスピーカーで部屋に流すほうが、耳への負担がありません。眠れない状態が続いているなら、眠れないときもあわせてご覧ください。

聞こえが落ちているとき|補聴器を考えるタイミング

耳鳴りと聞こえの低下は、しばしばセットで起こります。そして聞こえの低下があるタイプの耳鳴りでは、聞こえを補うことが耳鳴り対策にもなると考えられています。脳に届く音の情報が増えると、足りない入力を補おうとする必要が減るためです。

とはいえ「補聴器はまだ早い」と感じる方がほとんどだと思います。判断の目安を挙げます。

  • テレビの音量が家族と合わなくなった
  • 複数人の会話や、ざわざわした店で聞き取りにくい
  • 聞き返すことが増えた、聞こえたふりをすることが増えた
  • 電話が聞き取りにくい(特に片耳)
  • 後ろから呼ばれて気づかないことがある
相談するときに知っておきたいこと
  • まずは耳鼻咽喉科で聴力検査を。補聴器が必要な状態かどうかは、ここで分かります
  • 買うのは「補聴器相談医」のいる医療機関や、認定補聴器技能者のいる専門店が安心です
  • 集音器と補聴器は別のものです。補聴器は医療機器として調整が必要です
  • 費用には幅があります。多くの店で貸出や試聴ができるので、購入前に必ず試してください
  • 一定以上の聴力低下では公的な補助の対象になることがあります。自治体の窓口で確認できます
  • 「慣れるまでに時間がかかる」のがふつうです。買ってすぐ合わなくても、調整を重ねる前提で考えてください

耳鳴りを周りにどう説明するか

耳鳴りのつらさは、まわりの人には見えません。骨折のようにギプスがあるわけでも、熱が出るわけでもない。だから「気のせいじゃない?」「気にしすぎ」と言われた経験のある方は少なくないと思います。

説明の仕方をいくつか用意しておくと、その都度つらい思いをしなくて済みます。

そのまま使える言い方
  • 家族に——「耳の中でずっと音が鳴っていて、静かなところほど大きく聞こえるの。テレビや音楽がついているほうが楽だから、無音にしないでもらえると助かる」
  • 聞き返してしまうとき——「耳鳴りがあって聞き取りにくいことがあるから、もう一度言ってもらえる?」(聞こえたふりをするより、先に伝えるほうが楽になります)
  • 職場で——「耳鳴りがあって、静かすぎる環境や、逆にざわざわした場所だと聞き取りづらいことがあります」。病名を詳しく話す義務はありません
  • 「気にしすぎ」と言われたら——「実際に脳が音として認識しているものなので、気の持ちようでは消えないそうです。耳鼻科で検査も受けています」
  • 会議や電話が多い日——席の位置を変えてもらう、要点を文字で共有してもらうなど、具体的にひとつだけ頼むほうが通りやすくなります

そして、ご自身に対しても同じことが言えます。「気にしなければいい」と自分を責める必要はありません。気になる仕組みがある症状なのですから、対処するのが当然です。

通説の検証

①「耳鳴りの9割は治る」→ 言葉の意味に注意が必要です

テレビ番組をきっかけに広まった表現です。ここで言う「治る」は、多くの場合「音が完全に消える」ではなく「気にならなくなる・生活に支障がなくなる」という意味で使われています。実際、耳鳴りは音そのものが消えなくても、慣れによって気にならなくなることがよくあります。「消えないなら失敗」ではないと知っておくと、気持ちがずいぶん楽になります。

②「歳だから仕方ない」→ 半分だけ正しい

加齢は主要な要因です。ただし片耳・突然・聞こえの低下がある場合は「歳のせい」ではありません。また、貧血・睡眠・薬・首の緊張は年齢に関係なく改善できる要素です。

③「気にしなければ治る」→ 方向は正しいが、順番が逆です

気にしないでいられるのは、「危険なものではない」と確認できたあとです。検査を受けないまま「気にしないように」と言われても難しいものです。まず確認、それから気にしない——この順番です。

④「サプリメントで治る」→ 慎重に考えてください

耳鳴りに関する健康食品は数多くありますが、効果をうたう表現には注意が必要です。特に、突発性難聴のように時間が勝負のものを、サプリを試している間に見逃すことがいちばんの問題です。まず受診してください。

⑤「耳鳴りは脳の病気のサイン」→ 大多数は違います

ただし拍動性の耳鳴りが続く場合や、手足の麻痺・ろれつの回りにくさを伴う場合は別です。その場合はすぐに受診してください。

よくある質問

Q 耳鳴りは何のサインですか?

A.ひとつのサインに決まっているわけではありません。もっとも多いのは加齢による聴力の変化ですが、女性の場合は貧血・鉄不足、ホルモンの変動、自律神経の乱れや睡眠不足が背景にあることが少なくありません。ほかに、突発性難聴、メニエール病、低音障害型感音難聴、耳垢のつまり、あごや首の緊張、薬の影響なども原因になります。手がかりになるのは「片耳か両耳か」「突然か少しずつか」「聞こえは落ちていないか」の3点です。

Q 耳鳴りはほっといても大丈夫ですか?

A.両耳で、何年もかけて少しずつ、静かなときだけ気になる程度なら、急ぐ必要はないことが多いです。ただし「突然」「片耳」「聞こえにくい」がそろったときは放置しないでください。突発性難聴の可能性があり、治療開始が早いほど回復が期待できるとされています。目安は発症から1週間以内、できれば数日以内。週末をはさむなら月曜を待たず、土曜に開いている耳鼻咽喉科を探してください。

Q 急にキーンとなる耳鳴りの原因は何ですか?

A.一瞬キーンと鳴ってすぐ消えるものは、多くの方が経験する現象で、通常は心配いりません。問題になるのはキーンという音が続く場合です。特に片耳で、聞こえにくさや耳が詰まった感じを伴うなら、突発性難聴などの可能性があるため急いで耳鼻咽喉科へ。両耳で続く場合は、疲労・睡眠不足・大きな音を聞いたあと・貧血・血圧などが関わることがあります。

Q 耳鳴りを止める方法はありますか?

A.原因がはっきりしているもの(耳垢のつまり、中耳炎、突発性難聴、メニエール病など)は、その治療が中心になります。原因が特定できない場合は、音を消すことより「気にならない状態に近づける」ことを目標にするのが一般的です。今日からできるのは完全な無音を避けること——夜に小さな音量で音楽やラジオを流すと、耳鳴りが相対的に目立たなくなります(イヤホンで大音量は逆効果です)。あわせて睡眠を整え、大きな音から耳を守り、首や肩の緊張をゆるめてください。

Q 更年期になってから耳鳴りが始まりました。ホルモンのせいですか?

A.エストロゲンの減少が直接、耳鳴りを起こすという因果が証明されているわけではありません。この時期に増えるのは、加齢による聴力の変化・自律神経の不安定さ・眠りの浅さ・移行期に経血量が増えることによる鉄不足、といった要素が同時に動くためと考えるほうが正確です。そして実際上は、「更年期だから」と決めてしまうと、片耳の突発性難聴やメニエール病を見逃す危険があります。まず「片耳か両耳か」「聞こえは落ちていないか」を確認してください。

Q 健診で「貧血なし」でしたが、鉄不足が耳鳴りの原因になりますか?

A.ありえます。内耳は血流の影響をとても受けやすい器官で、酸素を運ぶ力が落ちると耳鳴りやふらつきとして出ることがあります。そして健診で見るヘモグロビンは「今、働いている鉄」で、体には貯蔵鉄(フェリチン)という蓄えが別にあります。鉄が減るとき体はまず蓄えから使うため、フェリチンが減ってもヘモグロビンはしばらく正常のままです。フェリチンは健診の標準項目ではないので、「フェリチンも測っていただけますか」と自分から頼む必要があります。特に立ち上がったときにドクドクと脈打つ耳鳴りがする方は確認する価値があります。

Q めまいも一緒に起こります。何を疑えばいいですか?

A.「ぐるぐる回るめまい」+「耳の詰まった感じ・聞こえにくさ」がセットで、発作を繰り返すなら、メニエール病の可能性があります。30〜50代に多く、女性にやや多いとされ、睡眠不足・過労・ストレス・気圧の変化が誘因になります。一方、更年期のめまいはふわふわする感じで、耳の症状を伴わないことがほとんどです。この違いが分かれ道になります。受診時は「めまいが何分続いたか」「回るのかふわふわするのか」「そのとき耳が詰まったか」を伝えてください。

Q 耳が詰まった感じがずっと続いています

A.飛行機や新幹線のあとの一時的なものを除けば、この症状には意味があります。20〜40代の女性には「低音障害型感音難聴」というタイプが比較的多く、低い音の耳鳴り・耳の詰まり・自分の声が響く・低い音が聞き取りにくい、といった症状が出ます。過労や睡眠不足が背景にあることが多く、繰り返すこともあります。ほかに耳垢のつまり、耳管の不調、滲出性中耳炎、メニエール病、突発性難聴も原因になります。いずれも耳鼻咽喉科で聴力を測れば見当がつくので、早めに受診してください。

Q 妊娠中の耳鳴りは赤ちゃんに影響しますか?

A.耳鳴りそのものが赤ちゃんに影響するわけではありません。妊娠中は血液量が増えて見かけ上血が薄まること、鉄の必要量が増えること、鼻の粘膜が腫れて耳の通りが悪くなることなどから、耳鳴りや耳の詰まりを感じやすくなります。まず妊婦健診で相談し、貧血の値を確認してもらってください。片耳だけ・突然・聞こえにくい場合は、妊娠中でも耳鼻咽喉科を受診してください(「妊娠◯週です」と最初に伝えます)。強い頭痛・目のチカチカ・急なむくみを伴う場合はすぐ産科へ連絡を。

Q 「耳鳴りの9割は治る」と聞きました。本当ですか?

A.言葉の意味に注意が必要です。ここで言う「治る」は、多くの場合「音が完全に消える」ではなく「気にならなくなる・生活に支障がなくなる」という意味で使われています。耳鳴りは、音そのものが残っていても慣れによって気にならなくなることがよくあります。「消えないなら失敗」ではありません。ただし、この考え方が当てはまるのは危険な原因がないと確認できたあとです。まず耳鼻咽喉科で聴力を測り、それから向き合い方を考えてください。

まとめ

耳鳴りは、まわりの人には聞こえません。だから理解されにくく、「気のせい」「歳のせい」で終わらせられやすい症状です。けれど、実際に脳がその音を認識しており、睡眠や気分に確実に影響します。

大切なのは、「片耳か両耳か」「突然か少しずつか」「聞こえは落ちていないか」——この3つを確認することです。ここが分かれば、急ぐべきものか、じっくり付き合うものかが見えてきます。

そして女性の場合、背景に鉄不足が隠れていることが少なくありません。「貧血はないと言われた」方こそ、一度フェリチンを確認してみてください。何年も付き合ってきた不調が、そこから動き出すことがあります。

この記事のポイントまとめ
  • 耳鳴りは耳だけでなく脳が起こしている現象。だから静かなときや不安なときに大きく感じる
  • 手がかりは「片耳か両耳か」「突然か少しずつか」「聞こえは落ちていないか」の3点
  • 「突然」「片耳」「聞こえにくい」がそろったら突発性難聴を疑い、数日以内に耳鼻咽喉科へ。時間が結果を左右する
  • 耳が詰まった感じを伴うなら、20〜40代女性に多い低音障害型感音難聴の可能性。過労・睡眠不足が背景に
  • ぐるぐる回るめまい+耳の症状を繰り返すならメニエール病。30〜50代の女性に多い
  • 更年期のめまいはふわふわ感で、耳の症状を伴わないのがふつう。ここが分かれ道
  • 女性に多い3つの入口は①貧血・鉄不足 ②ホルモンの変動 ③自律神経の乱れ・睡眠不足
  • 健診の「貧血なし」はフェリチン不足を否定しない。拍動性の耳鳴りがある方は特に確認を
  • 妊娠中は血液が薄まること・鉄不足・鼻づまりが重なる。まず妊婦健診で相談を
  • 頭痛薬の常用が耳鳴りに関わることがある。ただし自己判断でやめない
  • セルフケアの基本は「完全な無音を避ける」こと。ただしイヤホンの大音量は逆効果
  • 「9割治る」の「治る」は「気にならなくなる」という意味。音が消えないことは失敗ではない

この記事について

femnote 編集部

生理・妊活・フェムケア・更年期など女性の健康に関する情報を、厚生労働省「e-ヘルスネット」や日本産科婦人科学会をはじめとする各学会の診療ガイドラインなど、公的な資料をもとに編集しています。診断や治療の判断については、必ず医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳鳴り・難聴について」
  • 日本聴覚医学会「急性感音難聴診療の手引き」
  • 厚生労働省 難治性疾患政策研究事業「メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン」
  • 日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン」
  • 日本血液学会「鉄欠乏性貧血の診療に関する指針」
  • 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 産科編」
  • 日本女性医学学会「女性医学ガイドブック 更年期医療編」