生理のとき、ナプキンやトイレでぷるぷるとした血の塊が出てきて「これって大丈夫?」と不安になったことはありませんか。血の塊の大きさや頻度が変わると、どこかで「病気のサインでは?」という気持ちがよぎりますよね。

結論から言うと、小さな塊(1〜2cm以内)が生理2〜3日目に出るのはほぼ正常です。でも、5cm超の大きな塊が毎回出る・急に量が増えてきた・40代から塊が増えてきたという場合は、婦人科を受診すべきサインである可能性があります。

この記事では、血の塊の正体・正常の目安・受診が必要なサイン・疾患との関係・対処法まで、必要な情報をまとめてお伝えします。

生理で血の塊が出るのはなぜ?正体とメカニズム

血の塊の正体はフィブリンを含む経血

生理の血(経血)は、子宮の内側を覆っていた子宮内膜が剥がれ落ちたもの、血液、粘液が混合したものです。体外に排出されるまでのあいだに子宮や膣の中で一時的に滞留すると、血液に含まれる凝固因子(フィブリンなど)の働きで固まり、「塊」になって出てきます。

本来、経血には凝固を溶かす酵素(プラスミン)も含まれていて、通常はサラサラの状態で外に出ます。しかし生理量が多く排出スピードが追いつかないときや、子宮内での滞留時間が長くなるとき、この溶解が間に合わずに塊のまま排出されます。

ポイント:なぜ生理2〜3日目に塊が多い?
生理の2〜3日目は経血量が最も多くなるピーク日です。この時期は子宮内膜の剥離が活発で経血の排出が一気に増えるため、溶解酵素が追いつかずに塊になりやすくなります。量が落ち着く4〜5日目には自然に塊も少なくなっていくのが一般的です。

プルプル・レバー状になる理由

「プルプルしたゼリー状」と「レバーのような固い塊」は、同じ「血の塊」でも成分の違いで形状が変わります。

  • プルプル・ゼリー状の塊:粘液成分(ムチン)や子宮内膜の組織が多く含まれており、比較的柔らかい状態。経血が固まりかけの段階や、子宮頸管の粘液と混ざったときに出やすい
  • レバー状・固い塊:フィブリンによって完全に凝固した血液の固まり。量が多いほど・滞留時間が長いほど形成されやすい。子宮筋腫など疾患がある場合は特に大きく、固い塊になりやすい

どちらも「経血の塊」であることに変わりはありません。色は暗赤色〜黒褐色になりやすく、通常の経血より少し濃い色調に見えることが多いです。

スマートフォンを手にデスクに座る20代の日本人女性。生理管理アプリを確認している様子。ベージュのニットセーター、明るい室内

正常範囲の目安:どのくらいまでなら心配ない?

大きさの目安(2cm以内が正常の目安)

医学的に「正常な経血」の定義は、1周期あたり20〜140mLとされています。塊の大きさについては絶対的な基準はありませんが、産婦人科の臨床では 2cm以内の塊が生理ピーク日に少量出る程度 なら、多くの場合は正常範囲とされています。

塊の大きさ 評価の目安 対応
1〜2cm以内 ほぼ正常(ピーク日の一時的な塊) 経過観察でよい
2〜5cm程度 やや多め。量・頻度によっては要注意 毎回続くなら受診を検討
5cm超・レバー状 過多月経・疾患の可能性あり 婦人科を受診する

大きさだけでなく、出る頻度・生理全体の量・症状(痛み・貧血感)と合わせて 判断することが大切です。1回だけ大きな塊が出たとしても、それ以降は出ていないなら様子を見て構いません。

色・質感・量との関係

血の塊の状態は、経血全体の「色・質感・量」と切り離せません。たとえば経血の色が暗赤色や黒褐色のときは子宮内での滞留時間が長く、塊になりやすい状態です。

また、生理の量(経血量)が全体的に多い(過多月経)場合は、塊も大きく・多くなりやすい傾向があります。「経血量が増えた」と「血の塊が増えた」はセットで起きることが多く、どちらかの変化に気づいたときはもう片方も確認してみてください。

大きさと量を、どう測るか

「10センチくらいの塊が出た気がする」——検索でも画像で確かめようとする人が多い部分ですが、実物の写真を見比べても判断はできません。出たときの形はくずれやすく、トイレの水に広がると実際より大きく見えるからです。

そこで、写真ではなく「測り方」を渡します。

大きさは身近なものに置き換える

およその大きさ 目安になるもの どう考えるか
1cm前後 小豆〜大豆 よくあること。心配いりません
2cm前後 1円玉〜500円玉 ここまでが正常の目安
3〜4cm ピンポン玉より少し小さい 1〜2回なら経過を見てよい。続くなら相談
5cm以上 ピンポン玉〜卵 受診の目安
測るときのコツ
  • トイレの水の中ではなく、ナプキンの上で見たときの大きさで考えてください。水中では広がって大きく見えます
  • 手で触って確かめる必要はありません。ナプキンに当てて「500円玉くらい」と言えれば十分です
  • 写真を撮っておくのは有効です。受診のとき、言葉で説明するより早く伝わります

大きさより「ナプキンの交換頻度」のほうが確かな目安

実は、塊の大きさよりも経血の量そのもののほうが、受診すべきかどうかの判断に役立ちます。そして量は、ナプキンをどのくらいの頻度で替えているかで測れます。

状況 どう考えるか
多い日でも2〜3時間はもつ 一般的な範囲
1〜2時間でナプキンがいっぱいになる 量が多い状態。相談する価値があります
夜用を使っても朝までもたない・シーツを汚す 受診の目安
昼間から夜用を使わないと不安 量が多い可能性があります
タンポンとナプキンを併用しないと外出できない 同上

医学的には1回の生理で失う経血が140mLを超えると「過多月経」とされますが、実際に量を測ることはできません。だからこそ「ナプキンが何時間もつか」で置き換えて考えるのが現実的です。経血量そのものについては経血量の目安で詳しく解説しています。

診察で伝えることは、この4つだけ

受診したときに役に立つのは、詳しい説明よりも数字で言える情報です。

伝えること 言い方の例
塊の大きさ 「500円玉くらい」「ピンポン玉くらい」
ナプキンの交換頻度 「多い日は1時間半でいっぱいになります」
いつからか 「半年前くらいから増えました」
生活への支障 「月に1〜2日は仕事を休んでいます」

「量が多い気がします」だけでは診断の材料になりません。回数・時間・日数で言い換えると、そのまま検査の判断につながります。生理周期の記録をアプリでつけている人は、その画面を見せるだけでも十分です。

受診が必要なサイン:こんな血の塊は病気のおそれあり

次のいずれかに当てはまる場合は、婦人科で検査を受けることをおすすめします。

5cm超・レバー状の大きな塊が続く

手のひらに乗るほどの大きなレバー状の塊(5cm超)が、毎月の生理のたびに出る場合は過多月経の状態です。子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症など、子宮の構造に変化をもたらす疾患が原因であることが多いです。

1回だけ出たというケースでは、その周期だけ量が多かっただけの可能性もありますが、2〜3周期続くようなら受診の目安と考えてください。

生理量が急に増えた・鎮痛剤が効かない生理痛がある

これまでと比べて生理の量が急激に増え、ナプキンの交換が2時間に1回以上必要になってきた場合は要注意です。また、月経困難症(月経困難症)の痛みが市販の鎮痛剤では対処できないほど強くなっている場合も、子宮内膜症や子宮腺筋症のサインである可能性があります。

こんな症状は早めに受診を
・ナプキンが2時間以内にいっぱいになる
・5cm以上の血の塊が毎月出る
・生理痛が鎮痛剤で対応できなくなってきた
・貧血症状(めまい・立ちくらみ・倦怠感)がある
・生理以外のタイミングで出血がある

40代以降で急に塊が増えてきた

40代以降で「最近急に血の塊が大きくなった」「量も増えた」という場合、更年期に伴うホルモン変動が原因であることが多いです。ただし、同じ年代は子宮体がん・子宮内膜ポリープなど見逃したくない疾患が起きやすい時期でもあるため、自己判断せずに婦人科で検査を受けることが重要です。

血の塊が増える主な原因と婦人科疾患

血の塊が大きくなる・量が増える背景には、以下のような疾患があることがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、30〜40代の女性に多くみられます。筋腫が子宮内腔に向かって突出する「粘膜下筋腫」の場合は、特に経血量が増えやすく、大きな血の塊が出やすくなります。

筋腫そのものは良性ですが、過多月経が続くと鉄欠乏性貧血を引き起こします。子宮筋腫の詳しい症状・診断・治療については別記事で解説しています。

子宮内膜症・子宮腺筋症

子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるはずの子宮内膜組織が、子宮の外側(卵巣・腹膜・直腸周辺など)に広がる疾患です。子宮腺筋症は内膜組織が子宮の筋層そのものに入り込んだ状態で、子宮全体が肥大・硬化します。

子宮腺筋症では経血量の増加と強い生理痛が特徴的で、血の塊も大きくなりやすいです。また子宮腺筋症は超音波検査で発見できるため、疑いがある場合は婦人科で確認してもらえます。

ホルモンバランスの乱れ(無排卵・更年期)

排卵が起きない「無排卵月経」の周期では、黄体(プロゲステロンを分泌する組織)が形成されないため、エストロゲンが優位になります。エストロゲンが高い状態が続くと子宮内膜が厚くなりすぎ、剥がれるときに経血量・塊が増えることがあります。

ストレス・急激なダイエット・過度な運動によるホルモン乱れが原因になることもあります。

明るく清潔感のある婦人科クリニックの待合室。白い椅子と観葉植物が並び、大きな窓から自然光が差し込む穏やかな空間

40代以降に血の塊が増えやすい理由(更年期との関係)

40代になると卵巣機能が低下し始め、排卵が不規則になります。この時期は「更年期移行期(プレ更年期)」と呼ばれ、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが揺れ動きます。

排卵が起きない周期が増えると前述の通り子宮内膜が厚くなりすぎ、剥がれる量が一気に増えることがあります。このため、これまで特に問題のなかった人が40代になってから突然「血の塊が増えた」「量が多くなった」と感じるケースは珍しくありません。

更年期と血の塊:知っておくべきこと
更年期移行期は不正出血も起きやすい時期です。「生理なのか不正出血なのかわからない」という状況もよくあります。40代以降で出血のパターンが変わってきたと感じたら、まず婦人科で子宮体がん検診・超音波検査を受け、疾患を除外することが大切です。

更年期に伴う症状は血の塊だけでなく、プレ更年期の症状(ほてり・イライラ・不眠など)と重なることも多く、婦人科での総合的な評価が有効です。

「妊娠してた?」血の塊と化学流産・流産後生理の関係

化学流産・流産後の生理と血の塊

「生理の血の塊 妊娠してた」という検索が多いように、大きな血の塊を見て「もしかして妊娠していたのでは?」と感じる方がいます。これは「化学流産(化学的流産)」の可能性を心配しているケースが多いです。

化学流産とは、受精卵が着床したもののごく早期(妊娠5週前後まで)に自然終了するものです。妊娠検査薬で陽性が出た後に生理が来た場合や、化学流産が疑われる状況では、通常の生理より量や塊が多くなることがあります。

また、流産後の最初の生理(流産後月経)は、子宮内膜の回復過程で通常より経血量が多く、塊も出やすい傾向があります。これ自体は異常ではなく、2〜3周期で落ち着くことがほとんどです。

通常の経血の塊との見分け方

通常の経血の塊と、化学流産・流産に伴う出血・塊を自分で確実に見分けることは難しいです。ただし、以下の点が目安になります。

状況 通常の経血の塊 化学流産・流産後の出血
タイミング 生理予定日前後 妊娠検査薬陽性後・予定日より少し遅れることもある
いつも通り〜やや多め いつもより多い・または少ない場合もある
痛み いつも通りの生理痛 いつもより強い下腹部痛を伴うことがある
塊の性状 暗赤色〜黒褐色の塊 白っぽい・灰色の組織(絨毛など)が混じることがある

心配な場合は次回の生理前に市販の妊娠検査薬を使い、陽性が出た後に出血・塊が出たという流れがあれば、婦人科への相談をおすすめします。

「がんではないか」と不安なとき

血の塊を検索すると、必ずがんの話に行き当たります。ここは不安が大きい部分なので、正直に整理します。

先に結論
  • 血の塊が出ること自体は、がんのサインではありません。塊は正常な生理でも出ます
  • ただし「量が増えた」「不規則に出血する」という変化は、確かめる価値があります
  • いちばん確実なのは、塊の見た目を気にすることではなく、検診を受けることです

生理の塊と、がんによる出血は「出方」が違う

項目 生理にともなう塊 注意したい出血
出るタイミング 生理の1〜2日目に集中 生理と関係ない時期にも出る
周期との関係 毎月ほぼ同じ時期 いつ出るか予測できない
性行為との関係 関係しない 性行為のあとに出血することがある
年齢 どの年代でも 閉経後の出血は必ず受診
ほかの症状 生理痛など おりものの変化・においをともなうことがある

つまり見分けの鍵は「塊がどんな見た目か」ではなく、「生理以外のときに出血しているか」です。不正出血で詳しく解説しています。

検診を受けているかどうかのほうが大事です

子宮頸がん初期に自覚症状が出にくいため、症状で気づこうとすること自体が難しいものです。だからこそ検診があります。

検診 対象・頻度の目安
子宮頸がん検診 20歳から2年に1回。自治体の補助があります
子宮体がんの検査 症状があるときに医師の判断で行います

塊の写真を検索して見比べる時間より、検診の予約を取るほうが確実です。受診の機会が増えれば、筋腫やポリープなど塊の原因になるものも同時に見つかります。

どこへ行けばいい?受診の実際

何科を受診するか

状況 受診先
塊・量・生理痛が気になる 婦人科・産婦人科
立ちくらみ・動悸もある 婦人科でよい(貧血の検査も婦人科でできます)
健診で貧血を指摘された 婦人科へ。原因が生理の量にあることが少なくありません
妊娠の可能性がある 婦人科・産婦人科

「内科と婦人科どちらか」で迷ったら、婦人科で構いません。貧血の血液検査も婦人科で受けられますし、原因が生理にあるなら結局そちらへ回されます。

受診のタイミングと、内診について

  • 生理中でも受診できます。ただし超音波は経血が少ない時期のほうが見やすいことがあります
  • 「量が多い日の状態を見てほしい」という理由で、あえて生理中に行くのも問題ありません
  • 性交渉の経験がない場合、内診をお腹の上からの超音波に変えられます。受付や問診票で伝えれば配慮されます
  • 初診は問診・お腹の上からの超音波・血液検査で終わることも多くあります

費用の目安

内容 3割負担での目安
初診(問診・診察) 1,000〜2,000円程度
超音波検査 1,500〜2,500円程度
血液検査(貧血) 1,000〜2,000円程度

※医療機関や検査内容によって変わります。「生理の量が多い」は症状なので健康保険が使えます。初診で検査まで行うと合計3,000〜6,000円程度になることが多く、結果が出るまで数日かかることもあります。

血の塊を減らす方法・対処法

低用量ピルで根本的に改善する

経血の量・血の塊を根本から減らすのに最も効果的な方法のひとつが低用量ピルです。ピルは排卵を抑制し、子宮内膜の厚みを抑えることで、経血量を平均40〜70%減少させる効果があります。これにより塊も大幅に出にくくなります。

子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症が原因の過多月経にも、ピルや黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト)が治療として使われます。婦人科で疾患の有無を確認した上で処方してもらいましょう。

NSAIDs(鎮痛剤)で経血量を一時的に抑える

イブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、生理痛の鎮痛だけでなく、プロスタグランジンを抑えることで経血量を20〜30%程度減らす効果があります。生理2〜3日目の量が多い時期に定期的に服用することで、塊も少し抑えられることがあります。

ただし根本的な原因(疾患)を治療するわけではないため、大きな塊が毎月続く場合は鎮痛剤だけで対応しようとせず、婦人科を受診してください。

体を温めて血流を整える

経血の滞留を減らすために、体を温めて骨盤周辺の血流を促すことも有効です。ホットパック・腹巻き・半身浴などで腰・お腹を温めると、子宮の収縮がスムーズになり経血の排出が助けられます。

また、生理中の食事では鉄分の補給(貧血予防)と、血液をドロドロにしやすい過剰な脂質・糖質の摂取を控えることも参考になります。

鉄欠乏性貧血に注意
血の塊が多い・経血量が多い状態が続くと、月経過多による鉄欠乏性貧血になるリスクがあります。めまい・立ちくらみ・動悸・倦怠感・息切れを感じるようになったら、婦人科と内科を受診し、血液検査でフェリチン値(貯蔵鉄)を確認してもらいましょう。

医療でできることの全体像

「体を温める」「鉄を摂る」といったセルフケアで量そのものが大きく変わることは、あまり期待できません。量を減らしたいなら、医療の選択肢を知っておくほうが近道です。

方法 どういうものか 向いている場面
低用量ピル・LEP ホルモンで子宮内膜が厚くなりすぎるのを抑える 生理痛もある/避妊も考えている
ミレーナ(IUS) 子宮内に装着し、黄体ホルモンを局所に放出する 毎日の服薬が負担/数年単位で考えたい
止血のための内服薬 出血を止める働きに関わる薬が処方されることがある ホルモン剤が使いにくい事情がある
鉄剤 貧血そのものへの対応 ヘモグロビンやフェリチンが低いとき
原因の治療(手術を含む) 筋腫・腺筋症・ポリープなど、原因側への対応 薬で変わらない/原因がはっきりしている
いずれも医師の診察と処方が必要です
  • どれが適しているかは原因・年齢・妊娠を希望するかどうかで変わります
  • 診察のときに「いま妊娠を希望しているか」を伝えてください。ここで方針が大きく分かれます
  • 市販薬で経血量を減らすことはできません。鎮痛剤は痛みへの対応であって、量への対応ではありません
  • 効果や副作用は個人差があります。合わないときは我慢せず相談してください

「過多月経」「月経困難症」と診断されれば、これらの治療に健康保険が使えます。ただし保険が使えるかどうかは希望ではなく診断で決まるので、前の章で挙げた4つを具体的に伝えてください。ミレーナも過多月経の治療として保険適用になる場合があります。

貧血になっていないか、一度は確かめる

塊が多い状態が続いているなら、気づかないうちに貧血が進んでいることがあります。体は少しずつの変化に慣れてしまうため、自覚が出にくいのが厄介なところです。

こんなサインがあれば血液検査を
  • 立ちくらみ・目の前が暗くなる
  • 階段で息が切れる・動悸がする
  • やたら疲れる、顔色が悪いと言われる
  • 爪が割れやすい、氷を食べたくなる

健診のヘモグロビンが正常でも、貯蔵鉄(フェリチン)は減っていることがあります。フェリチンは健診の標準項目ではないので、気になる場合は「フェリチンも測ってもらえますか」と伝えてください。詳しくは生理と貧血で解説しています。

Q 生理の血の塊が毎回出るのは病気ですか?

A.2cm以内の小さな塊がピーク日(生理2〜3日目)に毎回出る程度は正常範囲です。ただし5cm超の大きなレバー状の塊が毎周期続く・量も多い・生理痛がひどいという場合は、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症などの疾患が隠れている可能性があるため、婦人科での検査をおすすめします。

Q 5センチ以上の血の塊が出ました。すぐ受診すべきですか?

A.1回だけであれば、その周期だけ量が多かった可能性もありますが、2〜3周期続くようであれば過多月経として婦人科を受診してください。また、5cm超の塊と同時に激しい腹痛・出血が止まらないなど緊急性を感じる症状がある場合は、すぐに受診を検討してください。子宮筋腫・子宮腺筋症・ポリープなどが原因であれば、早期に発見・治療するほど体への負担が少なくて済みます。

Q 40代から急に生理の血の塊が増えてきました。なぜですか?

A.40代は更年期移行期(プレ更年期)にあたり、排卵が不規則になりエストロゲン・プロゲステロンのバランスが崩れやすくなります。排卵が起きない周期が増えると子宮内膜が厚くなりすぎ、剥がれる量と塊が増えます。ただし同年代は子宮体がん・子宮内膜ポリープなどのリスクも上がる時期です。「更年期だから」と自己判断せず、婦人科で超音波検査・子宮体がん検診を受けることを強くおすすめします。

Q プルプルしたゼリー状の塊が出ますが、これは何ですか?

A.プルプルしたゼリー状の塊は、粘液成分(ムチン)や子宮内膜の組織が混ざった経血が固まりかけた状態です。固いレバー状の塊と同様に「経血の塊」のひとつで、2cm程度以内であれば多くの場合は正常範囲です。毎回大量に出る・サイズが大きい場合は婦人科で確認を。

Q 生理の血がぷるぷるしているのはなぜですか?

A.経血には、固まらないようにする働きと、それを溶かす働きの両方がはたらいています。量が多くて短時間にまとまって出ると、溶かす働きが追いつかず、固まりかけたゼリー状のものがそのまま出てきます。これが「ぷるぷる」「レバー状」の正体です。質感そのものは異常のサインではありません。見るべきは大きさと、経血量そのものです。

Q 塊の大きさをどう測ればいいですか?画像で確かめられますか?

A.写真を見比べても判断はできません。形はくずれやすく、トイレの水の中では広がって実際より大きく見えるためです。ナプキンの上で見たときの大きさで、身近なものに置き換えてください。目安は500円玉くらい(約2cm)までが正常の範囲、ピンポン玉以上(5cm超)は受診です。受診のときは、写真を撮っておくと言葉で説明するより早く伝わります。

Q 子宮がんの出血はどんな感じですか?塊が出たら心配ですか?

A.血の塊が出ること自体は、がんのサインではありません。塊は正常な生理でも出ます。見分けの鍵は塊の見た目ではなく、「生理以外のときにも出血しているか」です。生理と関係ない時期の出血、性行為のあとの出血、閉経後の出血は確かめる価値があります。そして子宮頸がんは初期に自覚症状が出にくいため、塊を見比べるより検診を受けるほうが確実です。

Q 受診は何科ですか?生理中でも行けますか?

A.婦人科・産婦人科です。立ちくらみや動悸があっても、貧血の血液検査は婦人科で受けられます。生理中でも受診できます。「量が多い日の状態を見てほしい」という理由であえて生理中に行くのも問題ありません。なお性交渉の経験がない場合、内診をお腹の上からの超音波に変えられます。受付や問診票で伝えれば配慮されます。

Q 量を減らす方法はありますか?

A.セルフケアで経血量そのものが大きく変わることは、あまり期待できません。量を減らしたい場合は低用量ピル・ミレーナ(IUS)・止血のための内服薬など、医療の選択肢があります。いずれも医師の診察と処方が必要です。どれが適しているかは原因・年齢・妊娠を希望するかどうかで変わるので、診察のときに「いま妊娠を希望しているか」を必ず伝えてください。なお市販の鎮痛剤は痛みへの対応であって、量への対応ではありません。

Q 健診では貧血と言われていません。それでも心配ですか?

A.ヘモグロビンが正常でも、貯蔵鉄(フェリチン)は減っていることがあります。フェリチンは健診の標準項目ではないため、測られていないだけということも少なくありません。立ちくらみ・階段で息が切れる・爪が割れやすい・氷を食べたくなるといったサインが重なるなら、「フェリチンも測ってもらえますか」と伝えてください。

まとめ

この記事のポイントまとめ
  • 生理の血の塊は経血の凝固によるもので、2cm以内の小さな塊がピーク日に出る程度は正常範囲
  • 5cm超・レバー状の大きな塊が毎周期続く場合は過多月経・婦人科疾患のサインである可能性が高い
  • 子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症・無排卵月経・更年期のホルモン変動が血の塊を増やす主な原因
  • 40代以降で急に塊が増えた場合は、更年期変化のほかに子宮体がん・内膜ポリープの可能性もあるため婦人科検査を受ける
  • 妊娠検査薬陽性後に大きな塊が出た場合は化学流産の可能性を婦人科に相談する
  • 低用量ピルは経血量・塊を根本的に減らす効果があり、疾患がある場合は治療薬としても使われる

血の塊は「見て見ぬふり」しやすいテーマですが、正常範囲を超えている場合は体のSOSサインです。「これくらい大丈夫だろう」と何年も放置している間に貧血が進行したり、疾患が悪化したりするケースは少なくありません。

毎月の生理で「最近塊が増えた気がする」「以前より量が多い」と感じているなら、まずは婦人科で超音波検査を受けてみてください。生理の正常・異常の判断軸を知ることで、自分の体をより丁寧に見守れるようになります。

この記事について

femnote 編集部

生理・妊活・フェムケア・更年期など女性の健康に関する情報を、厚生労働省「e-ヘルスネット」や日本産科婦人科学会をはじめとする各学会の診療ガイドラインなど、公的な資料をもとに編集しています。診断や治療の判断については、必ず医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会編(2023)「女性医学ガイドブック 更年期医療編」金原出版
  • 日本産科婦人科学会編(2023)「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023」日本産科婦人科学会
  • Munro MG, et al. (2018). The two FIGO systems for normal and abnormal uterine bleeding symptoms and classification of causes of abnormal uterine bleeding in the reproductive years: 2018 revisions. International Journal of Gynecology & Obstetrics, 143(3), 393–408.
  • American College of Obstetricians and Gynecologists (2019). Heavy Menstrual Bleeding. ACOG Practice Bulletin No. 197. Obstetrics & Gynecology, 134(1), e38–e69.
  • 公益社団法人日本産科婦人科学会「月経量の異常(過多月経・過少月経)」患者向け情報(2022年参照)